魔の海
解説
「大自然を敵として」「飛行郵便」のアーヴィン・V・ウィラット氏の監督作品で、甞てモーリス・トゥールヌル氏がものした「魔海の髑髏島」と同じ原作クリッテンデン・マリオット氏の小説を映画化したもので「プラッド・シップ」「怪騎手」のフレッド・マイトン氏が脚色に当り、撮影は「レヴュー時代」「恐怖の一夜」のソル・ポリート氏が担任している。出演は「タイタニック」「幻の街」のヴァージニア・ヴァリ嬢、「青春の夢(1929)」「人生サーカス」のジェイソン・ロバーズ・シニア氏、「赤い鳩」「夜会服」のノア・ビアリー氏が主要なる役で、ロバート・エメット・オコナー氏、ウィリアム・ホールデン氏、ロバート・ホーマンス氏、ハリー・コーディング氏等も出演している。
1929年製作/アメリカ
原題または英題:The Isles of Lost Ships
ストーリー
ポルト・リコを出航してヨーロッパへ向かって大西洋を航行しつつある汽船クイーン号にはジャクソン探偵とその護送中の女房殺しの犯人フランク・ハワードとが乗っていた。同じ船に乗合わせたドロシー・タイラーはハワードの軍人らしい男性美に心を惹かれたが、彼が罪人であることを考えると、その思いも胸の奥に秘めているより外はなかった。船は大西洋の真ん中サルガッソ海の付近を通過しつつあった。ここは巨大な海藻と幾多の難破船の残骸とが渦巻く潮流の仲に浮流している危険なところである。果然クイーン号は漂流物に衝突してしまって大破し浸水し始めた。その時探偵ハワードを忘れて一旦避難したが、再びドロシーと共に船に引返した。ところが今度は3人共沈みかけた船に取残されてしまう。但しクイーン号は隔壁が堅牢であったので沈没を免れ3人のせて数日間漂流した揚句、サルガッソ海中の「難破船の島」に漂着した。この島でに約50人の人間が棲んでいてその仲には女は二人しか居なかった。彼等の頭目フォーブスはドロシーを自分の妻にしようとする。この島では女の争奪を防ぐため女は必ず結婚せねはならぬことに決められてあった。しかしドロシーはハワードとの結婚を望んだのでフォーブスはハワードと闘争を惹起したが、ハワードは対手を破った。3人は島に残ることの危険を慮って再びクイーン号に引返した。そこへ潜航艇の機関士をしていたバークという男が現れて難破した潜航艇へ連れて行った。海軍士官だったハワードが調べて見ると航海可能なのでそれに乗って逃げようとした。フォーブスは逃がさじと攻撃して来たが4人は海藻の間を巧みに潜行して危難を脱出した。探偵もハワードの心事を知るに至り、ハワードの身の証しを立てるためにポルト・リコへ急いだ。ドロシーもハワードと天下晴れて結婚が出来る日も近いであろう。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アーヴィン・V・ウィラット
- 脚色
- フレッド・マイトン
- 原作
- クリッテンデン・マリオット
- 撮影
- ソル・ポリト
- 特殊効果
- フレッド・ジャックマン