「リルが素敵」マーニー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
リルが素敵
彼女はマークの義妹であり、ラトランド家で居候中。マークの妻は若くして亡くなっていた。マークがマーニーと結婚すると宣言したときも、嫉妬心と喜びが入り混じったような表情がとてもいい。祝福のキスだってマークの口にぶちゅーっとやってた・・・うらやましいぞ、007。そんなリルであっても、マーニーの秘密をしってからは嫉妬心が打ち勝ったのか、以前に被害に遭ったコンサルタント会社社長をパーティに呼んでしまったりするのだ・・・彼女も小悪魔だったのね。
名前も変え、髪の色も変え、社会保障番号だって偽造しちゃう、かなり計画的な犯罪を繰り返していたマーニーだったが、稲妻と赤い色に対して極度に拒絶反応を示す。結婚しても体を許さない男性拒否症だったのだ。盗癖も嘘も病気であることだって全て愛そうとしたマーク。やがて原因が幼い頃のトラウマにあると読んだ彼は探偵を雇い、彼女の過去を探らせる。
貧しさと富豪の比較なんて目で見ると、まったく物足りない。金持ちは金持ちなりに人格者であることも描いているところがつまらない。しかも売春婦の娘と結婚し、盗みもすべて赦そうとする寛容さ。被害者に対しては謝罪、弁償、被害届の取下げを頼もうとするのだから・・・社会観から突き詰めてゆくと、ほんとにつまらないのだけれど、幼少時のトラウマといった点では興味深い映画。現代のDVを扱った作品のさきがけといえるか。ただ、女がもっと魅力的だったら、寛容になれるかもなぁ(笑)。
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