「ヒッチコックファンとしては残念な作品」マーニー あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
ヒッチコックファンとしては残念な作品
映画の物語としては色々と突っ込みどころ満載
ヒッチコックにしてはどうなのかと、彼はこれで満足なのかと疑問を感じてしまう
大成功しためまい、サイコの路線でもう一本の意欲が空回りした感がある
要はティッピ・ヘドレンでそれを撮りたい
007で当代一の二枚目に踊り出たショーン・コネリーを相手役にして何が何でも大成功させる
それが映画に滲み出ている
ティッピ・ヘドレンは美しい
というより美しく撮りたいずっと撮っていたい
その妄執がヒッチコックをしてこのような映画を撮らせてしまったように思う
ショーン・コネリーの演技はさすがに油が乗っている絶好調の時期だけに、彼の演技で救われていると言ってよい
カメラもものすごい神経の行き届いた目の覚めるような冒頭のショットなど素晴らしい映像と凡庸な映像との差が激しい
ヒッチコックの集中力が全編に渡って続いていないと感じ取れてしまうのだ
ファンとしては残念な作品だ
とはいえつまらない作品では全くない
全体としては素晴らしい作品と言うべきなのだろう
ヒッチコック映画の音楽の代名詞だったバーナード・ハーマンは本作が最後の作品となる
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