「真水みたいな映画」慕情(1955) 越後屋さんの映画レビュー(感想・評価)
真水みたいな映画
原作の小説は立派なんでしょうが、映画はハイハイこの小説映像にしときましたよ、ってところ。わかりやすくいえば、吉永君や山口君を持ってきて有名な観光地を舞台にした大衆向け文芸作品のハリウッド版です。原作では国籍問題が主題みたいですが、脚色は恐らく原作のセリフをなぞってるだけ、演出も筋を追ってるだけ、ありきたりのヨロメキが一丁上がりです。エキゾチックな香港に、有名な男女を主演に持ってきてるから当時は随分受けたらしいですけど、ドラマ的なワクワク感や盛り上がりが1ミリもないですね。
そんなに長くないから一応最後まで観ましたけど、毒にも薬にもならない真水みたいな映画。オマケしても2点がせいぜいですが、香港の映像は資料的な価値が高いので2点半にしときます。
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