抱擁(1957)

劇場公開日:

解説

波瀾の半生をもつ、ナイトクラブの人気スターだったジョー・E・ルイスの伝記映画。監督は「武器よさらば」のチャールズ・ヴィダー、彼は「情欲の悪魔」でこの種作品に経験がある。芸人伝記を得意とするアート・コーンの原作を、オスカー・ソウルが脚色した。撮影監督は「地球で一番早い男」のダニエル・L・ファップ、製作はサミュエル・J・ブリスキン。ジョーに扮するのは「夜の豹」のフランク・シナトラ。「魅惑の巴里」のミッチー・ゲイナーと「必殺の一弾」のジーン・クレインが共演し「陽はまた昇る」のエディ・アルバート、往年の名子役ジャッキー・クーガンが助演する。

1957年製作/126分/アメリカ
原題または英題:The Joker is Wild
配給:パラマウント
劇場公開日:1958年4月19日

ストーリー

1930年代のギャングと秘密酒場の都シカゴ。ジョー・E・ルイス(フランク・シナトラ)は、ジョージ・パーカー(T・D・コーシア)の酒場の人気歌手だった。彼には気のいいピアニスト、オースチン・マック(エディ・アルバート)と、毎夜くる客のスィフティ・モーガン(ジャッキー・クーガン)という親友がいた。人気が高まるにつれてジョーには契約申し込みが殺到し、ジョージのおどしにもめげず、彼は大きな店に移った。舞台は成功だったが、数日後の夜、3人のギャングが押し入って、ジョーの頭をくだき、声と声帯を傷つけてさった。気丈な彼は奇蹟的に命をとりとめたが、数か月を経て立てるようになっても、声帯を切られたため歌うことも出来なくなった。友の慰めもきかず、人生に希望を失って彼は行先もつげずに姿をくらました。数年がすぎ、スィフティはベルモントの競馬場でジョーに会ったが、顔にひどい傷あとのある彼は人目をさけて消えていった。ジョーはその頃ハンク・ヘンリー(自身出演)の助手をしていたが、スィフティは彼を探しあててオースチンと共に訪ねた。ボードビルの女王ソフィー・タッカー(自身出演)のピアニストになっていたオースチンは、慈善ショーの時に彼女にたのんでジョーを無理に舞台にたたせた。彼は歌うことは出来なかったけれど、当意即妙な洒落た冗談が大いにうけて、ここに彼のコメディアンとしての希望が生まれた。その夜、社交界の名門の娘レティ・ページ(ジーン・クレイン)が彼と知り合い、やがて彼を愛するようになったが、ジョーは身分の違いや今の境遇を考えると、それを受け入れられなかった。彼のカム・バックは次第に実を結び、やがて歌もうたえるようになり、ナイト・クラブは争って彼を出演させた。戦争がはじまり、オースチンと彼は戦線慰問に出て、島から島をめぐるうちに、やっと彼はレティに求婚する決意を固めた。しかしその時は、彼女は既に人妻だった。失意を舞台と酒とバクチにまぎらすうちに、彼はダンサーのマーサ・スチュアート(ミッチ・ゲイナー)と結ばれた。けれども、舞台生活と酒とバクチに生きる彼に、まともな結婚生活はもう出来なかった。マーサはさり、彼はますます気が短くなり、溺れた日日を重ねていった。オースチンさえも今は離れ、彼は孤独だった。唯1人シカゴの懐かしい街並を歩く彼の胸の中には走馬燈のように過去の日日の思い出が通りすぎていった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く