ビール万歳

解説

「絶対の秘密」「七万人の目撃者」のラルフ・マーフィーが監督した映画で、「千万ドルの醜聞」の共作者ジーン・タウンとグレアム・ベイカーの第2回オリジナル・ストーリーを「絶対の秘密」の台詞執筆者ケイン・ロビンソンが脚色し、「千万ドルの醜聞」「絶対の秘密」の脚色者ウィラード・マックが台詞を書いた。出演者は「地下の雷鳴」「死の航空路」のチャールズ・ビックフォード、「犯罪都市(1931)」のメアリー・ブライアン、「山猫酒場」のルイズ・ドレッサー、「愛に叛く者」のジーン・ハーショルト、「待ちかねる処女」のアンディ・デヴァイン、「四十二番街」のジョージ・E・ストーン、「裏町」のジョージ・ミーカー、ジュリー・ヘイドン等で、撮影は「競馬天国」「爆走する悪魔」のヘンリー・シャープの担任。

1933年製作/アメリカ
原題または英題:Song of the Eagle

ストーリー

オットー・ホフマンの息子アウグストのビール醸造業への門出は人々に大いに祝福され、その中にアウグストの母エムマや弟のビルや許嫁のグレッチェン、それに父オットーの秘蔵ビール技師エミールとその娘エルザまで加わって大いに前途を祝福してくれたが、程なく欧州戦が始まり、アウグストとビルは共に戦線に送られ、アウグストは戦死し、ビルのみが凱旋した。その間に禁酒令が発布されホフマンのビール工場も閉鎖の己むなきに至った。その折から、トラックの運転手で、積み荷競争で1等賞を勝ち得たネイルスという男はその仲間を語って密造業者ギャングの仲間に入り、ついにネイルスはその頭となり、本物のギャングとなった。ビルはエミールの娘エルザと結婚し、禁酒令が解禁されるに及んで、父オットーを助けて工場を開かんとしたが、ネイルスはオットーの工場に目をつけ、買収せんとして拒絶され、暴力で奪取を計り、オットーの工場の初荷を機関銃で全滅させてしまった。一方、エルザの父エミールはネイルスに脅迫され、彼らの毒手に倒された。ビルとエルザは悲憤のあまりビルの戦友を集めてギャングと戦おうとしたが、この計画は早くもネイルス一味に知れ、彼ら仲間の1人ガスはビルを殺す内意を受けた。ガスはビルの昔友達であり、大戦中戦地で彼に命を助けられたことがあるので、ビルの事務所に彼を訪れたが、ビルの身に振りかかる危険を告げて、戦地で受けた大恩を報じ、何処ともなく姿を消してしまった。その中に父のオットーは、ガスに裏切られたギャングに殺された。重なる不幸に、ビルはビール事業から手を引こうとするが、気丈な母エルマはあくまでも亡き父の仇を討つことを約し、事業の継続をビルに励ました。まもなく、ネイルスは前のオットーの住家で何者かに殺され、警察もその犯人の見当が付かなかった。がビルはそれが極悪人を片づけて人々を安心させた母エルマであることを知っていた。

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