悲恋の勇士
解説
T・ハワード・ケリー氏の原作に基づいて、「歩み疲れて」「修羅の闘牛」等と同じくトム・テリス氏が監督したもので、主役は「ピンチ・ヒッター」「小さき巨人」等主演のグレン・ハンター氏が演じ、対手女優は「小さき巨人」「ニューヨークの暗黒面」等出演のエドナ・マーフィ嬢が勤め、ダグラス・ギルモア氏、コラ・ウィリアムス嬢等が助演している。
1925年製作/アメリカ
原題または英題:His Buddy's Wife
ストーリー
欧州大戦中のことフランス戦線にある米国兵ジミイ・マクモロウとビル・マラニイとは無二の親交をしていた。ある時決死隊に加わって危険任務に就くことになったビルは、万一の場合のために、己が妻メリーの写真をジミイに示して妻とその母のことを頼んで別れた。それっきりビルの消息は、要として無かった。戦死したものと思ったジミイは除隊して帰国すると、ビルとの約を守ってメリー親娘の世話をした。そして老母の死後はメリーとジミイとは2人きりで暮らした。それが口善悪ない村人の噂の種となり、遂にジミイは衆人冠詞の中で姦夫と罵られた。さすがのジミイもそれに堪えず怒気心頭に発して相手を殴り据えた。そのためにジミイは2つの罪を数えられて法廷に立ち有罪の宣告を受けようとした。メリーは法廷に駆けつけてジミイのために一切の事情を細大漏らさず打ち明けて、ジミイには何等やましいことがないばかりか、彼の行為はよにも高潔なるものであることを立証した。そして無罪となったジミイとメリーとは再び村人にうしろ指を指されぬため、結婚しようとした。その時戦死したとのみ思われていたビルが突然帰郷した。明け暮れビルのことばかり想っているメリーの胸中をよく察しているジミイは、彼女に対する己が潔い恋をただ1人自分の胸中に刻んで、メリーをビルに渡し何処ともなく漂泊の旅に赴いた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- トム・テリス
- 脚本
- トム・テリス
- 原作
- T・ハワード・ケリー
- 撮影
- ヘンリー・クロンジェガー