姫君ご満足

解説

「結婚十分前」「極地の青春」のロバート・モンゴメリーと「クレイグの妻」「米国の機密室」のロザリンド・ラッセルが主演する映画で、ロバート・ルイス・スティーヴンソン作の小説「自殺倶楽部」に基づいて「地獄への挑戦」と同じくマヌエル・セフとエドワード・E・パラモア・ジューニアとが協力脚色し、「男性No.1」「港に異常なし」の・ウォルター・ルーベンが監督にあたり、「街の果報者」のチャールズ・G・クラークが撮影したもの。助演者は「我家の誇り」のフランク・モーガン、「極地の青春」のレジナルド・オーウェン、「晩春」のルイス・ヘイワード「処女散歩」のE・E・クライヴ、「オペラは踊る」のウォルター・キングスフォード、等

1936年製作/アメリカ
原題または英題:Trouble For Two

ストーリー

カロヴィア国の公子フロリゼルは隣国イラニア国の姫君ブレンダと許婚の仲だったが、お互いに子供の時に対面きりなので、2人はどちらも結婚に気乗り薄だった。フロリゼル公子は元来冒険好きの勇敢な青年で独身時代の最後の思い出として、父君の許しを得て扶育の老臣ジェラルディン大佐を伴って英京ロンドンに遊ぶことになった。海峡を渡る船中で、公子は不思議な美しい女性に会ったが、上陸すると同時に彼女は行方をくらましてしまった。フロリゼル公子はロンドンのさる料亭で自殺を目論む若い男と近づきになり彼の紹介で「自殺倶楽部」という秘密倶楽部へ入会した。ここの会員はカルタによって「殺され手」と「殺し手」を定める規定になっている。入会の次の晩、フロリゼル公子は「殺され手」の札を引き、殺す役目は謎の女性に当たった。2人は馬車を駆って深夜のロンドンを動物園に乗りつけた。園内を歩いているうちに、獅子の檻に入り八つ裂きにされて死ねと命じた。公子が毅然として檻に入ろうとすると、女は初めて驚きの声を発して彼を引き止めた。途端に闇を縫って1発の銃声が響いたが、幸いに2人は無事であった。フロリゼルと女は近くのホテルにたどり着いたが、そこで女は初めて自分の身分を打ち明けた。彼女は思いがけもなくフロリゼルの嫌っている結婚の相手ブレンダ姫だったのである。姫は未来の良人たるべき公子の人柄をためすために、今まで身分を秘して彼について歩いていたのであった。一方自殺クラブの会長ノエル博士は虚無党の首領として昔カロビィア国を追放された男で、その恨みから公子が入会したのを好機に、彼を無きものにしようと執拗に狙っていたのである。フロリゼルはこれを知って逆に剣を持って彼を倒した。公子とブレンダ姫はめでたく帰国の上、晴れて結婚した。

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