巴里(1926)
解説
かつては脚色者として知られていたエドモンド・グールディング氏が監督した映画で、原作、脚色も同じく氏の手になったものである。主役は「恋と拳闘」「楽園に帰る(1928)」等出演のチャールズ・レイ氏と「踊る英雄」等出演のジョーン・クローフォード嬢との2人で、ダグラス・ギルモア氏、マイケル・ヴィサロフ氏、ロース・ディオヌ嬢などが助演している。
1926年製作/アメリカ
原題または英題:Paris
ストーリー
金持ちで呑気なジェリーはパリの評判の悪いカフェ「鳥篭」で美しい娘を見染めた。この女はあるアパッシュの恋人で、ジェリーから紙入れを抜き取って男に海岸に自分を連れて行ってくれとねだった。が、ジェリーはそんな事とは知らず女と戯れた。そして千フランやるから女と踊らしてくれとアパッシュに申し出た。男はそれならと許諾したが、いざジェリーが女とダンスする段になると嫉妬してジェリーを刺した。負傷したジェリーを看護して女は彼の別荘まで付き添って行った。アパッシュはそれを追って別荘の窓から忍び込んだ。が、ジェリーは巧みに彼を操ってその怒りを柔らげ、女に千フランを与えて男とアパッシュ・ダンスを踊らせた。踊っている内に男は本当に怒りがこみ上げて来て、女を床にまっさかさまに投げつけた。で、女は負傷し、アパッシュは捕らえられ牢獄に入れられた。が、女はどうされようと男が好きであった。そして獄屋を訪れた。しかし、男は女が宝石のついた耳飾りをしているのを見てそれを疑い彼女に跳りかかったりした。園の治、ジェリーは女を恋してしまい、どうにかして女を手に入れようとしたが、なかなか首尾よく行かないで日を過ごして行った。ジェリーが女とロンシャンの競馬を見物に行った日、無名の手紙がジェリーに届けられて、アパッシュが監獄から出て彼を狙っているから注意せよとの事を彼に知らせた。女は、ジェリーに己は依然アパッシュを愛している事を告げて「鳥篭」へ帰って行った。するとそこには男が待っていた。ちょうど、音楽が始まって2人はアパッシュ・ダンスを踊り出した。アパッシュは再び狂暴となり、女を絞めつけた。女は息も絶えだえにたおれた。そこへジェリーが入って来、彼とアパッシュとの格闘が始まった。しかし、アパッシュが殺されそうになった時、女はジリーの腕にすがって止め、アパッシュを抱きしめて懇ろに介抱するのであった。そこで、ジェリーは歌を歌いながらカフェを出た。「家へ帰る道を教えておくれ……。」彼は始めて金では買えないものがある事を覚ったのであった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- エドマンド・グールディング
- 脚色
- エドマンド・グールディング
- 原作
- エドマンド・グールディング
- 撮影
- ジョン・アーノルド