劇場公開日 1966年7月9日

「町山智浩氏はどう高評価したのか知りたい!」バニーレークは行方不明 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0町山智浩氏はどう高評価したのか知りたい!

2020年9月26日
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鑑賞方法:DVD/BD

この映画に対する皆さんの評価が高いので
敢えて投稿させて頂きました。
この映画に少し疑問があります。

私もこの結末は何だろう、
娘は本当に存在するのか、
存在するとしたら失踪の理由は何だろう、
誰かが偽っているのか等々、
色々と想像しまくってラスト近くまで
緊張感の中で大変面白く鑑賞出来た。

中盤では余りにも娘は存在しないのでは、
との要素の散りばめから、
逆に実在するのでは、
との推理で終盤近くまで集中して観れた。
しかし、ラストで妹が兄をなだめすかす
段になって肩透かしにあった気分を覚えた。

ストーリー自体に理解は出来るが、
果たして映画表現としての話の運びは
どうだろうか。

それは、
妹が兄に対する接し方が、
ラスト直前までとラストシーンでは
あまりにも違い過ぎるからだ。
妹がラストでの種明かしされる兄の病気が
事前に解っているのであれば、
事件直後からの妹の兄への対応は
全く不自然ではないのか。

もし、事件の核心を伏せるのであれば、
例えば、映画「スティング」や
小説のアガサ・クリスティ
「アクロイド殺人事件」、また
綾辻行人「十角館の殺人」のように、

そのまま描いたのではネタバレになって
しまうシーンは全く排除するとか、
せめて匂わし要素を残す、と言うのが
ルールではないだろうか。
そして、そのこと自体が我々には
真相探求へのヒントにもなる。

この映画では、
寮長の兄への性格分析にそのヒントを
残してはいる。だが、
妹の兄への違和感を少しでも表現しないと、
二人のシーン自体が“嘘”となってしまい、
このジャンルの映画としては
求められるリアリティの欠如した作品
となってしまったと言うのが
私の結論である。

同じ意外性に驚くのであっても、
真相関連描写を描かないのと、
描かれてはいるが結論に対して
不自然なのでは、
観ている側としては納得度に違いが
生じる。

観る者に色々な想像させる装置として、
せっかく冒頭での
子供を映像で登場させないという
上手い前提を作りながら、
つまり、ここでは描かないことで
嘘にならない映像手法を使いながら、
兄妹のシーンでは“嘘”の映像手法が、
映画史の中ではこの作品への評価が
決して高くない理由ではないかと
勝手に想像したのだが、
町山氏はどう高評価したのか
知りたいところだ。

KENZO一級建築士事務所
いもけんぴさんのコメント
2021年11月1日

同感です。そもそも騒ぐ前に兄貴が怪しいってなるでしょ

いもけんぴ
sukuさんのコメント
2020年9月27日

男女の仲は微妙な緊張関係がありますから。こういうラストもリアルな気がします

suku