春の火遊び
解説
「紅塵」で共演した「プラチナ・ブロンド」のジーン・ハーロンと「ホワイト・シスター(1933)」のクラーク・ゲーブルとが再び共演主演する映画で、「カイロの一夜」「私重役様よ」のサム・ウッドが監督したものである。原作はさきにハーロン主演映画で我が国では検閲不許可になった「赤毛の女」を書いたアニタ・ルースが書き下ろしたもので、脚色にはルース自身が「闇に踊る(1932)」のハワード・エメット・ロジャーズと共同してあたった。助演者は「恋愛百科全書」のスチュアート・アーウィン、「女囚の意気地」のドロシー・バージェス、「最後の一人まで(1933)」のミュリエル・カークランド、それからギャリー・オーウェン、テレサ・ハリス、等である。カメラは「紅塵」「奥様御寵愛」等のハロルド・ロッスンの担任。
1933年製作/アメリカ
原題または英題:Hold Your Man
ストーリー
いかさま師のエディーが警官に追われて逃げ込んだアパートの部屋というのが、これもしがない商売をしている女のルビーの部屋だった。同じ様に暗い商売をしているこの2人はお互いに対手に魅力を感じて引きつけられたが、でもいじっぱりの人間同志だったので、それとはお互いに口に出さないで別れた。が、ここにアルという律義者がいて、この男はルビーの生活を知ってはいたが、それを承知の上で彼女に結婚を申し込んでいた。ルビーはこのアルをダシにつかってエディーのよく立ち回るスピークイージーに連れて行ってもらう。そして首尾よくここでルビーはエディーとめぐり会うことができると、話はもう進んで2人は同じ家に住むことになった。それからエディーは犯した罪で1時くらい込んだが、その間、ルビーにはある金持ちが言い寄っていた。エディーとその仲間とは、これを機会として、ルビーをおとりにしてこの男から金を巻き上げようと企んだ。だが、この美人局がいざ巧く運ばれることとなったその途端、ルビーを本気で愛しているエディーは彼女にこんな卑しいことをさせていることが我慢できなくなり、ルビーの仕事の途中で現場に蹴り込んで男と争った上、これを殴り倒したところ、運悪くはずみで男は死んでしまった。それから、ルビーはエディーと急いで結婚しようとしたが、警官の襲うところとなり、男は逃げたが、女は捕まり感化院に送られた。エディーはメキシコに高飛びしようとしたが、ルビーが懐妊していると知って、ルビーの友達たる女囚たちの助力を得て、辛くもこの感化院内に忍び込む。そして、ことがばれて捕まる前に、エディーは黒人の牧師を脅かして2人を正式に結婚させることに成功した。それから時が経って、エディーが出獄した時、そこには愛子を抱いて彼を待つルビーの晴れやかな姿があった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- サム・ウッド
- 脚色
- アニタ・ルース
- ハワード・エメット・ロジャース
- 原作
- アニタ・ルース
- 撮影
- ハロルド・ロッソン
- 歌
- ナシオ・ハーブ・ブラウン
- アーサー・フリード