裸一貫(1931・アメリカ)

解説

ハリイ・ジェイムス・スミスの手になれる舞台劇からエドガー・アレン・ウルフが脚色し、「海行かば(1930)」「盗んだ結婚」のサム・ウッドが監督し、「連隊の花形」「駄法螺成金」のアルフレッド・ギルクスが撮影した映画で、主演者は「世界の與太者」「盗んだ結婚」のウィリアム・ヘインズ、これを助けて「惨劇の波止場」「罪は若きにあり」のドロシー・ジョーダン、「春ひらく(1930)」のジョセフ・カウソーン、「インスピレーション」のマージョリー・ランボー、ウィリアム・オースティン、アイアン・キースその他が出演している。

1931年製作/アメリカ
原題または英題:Tailor Made Man

ストーリー

ジョン・ポール・バートはヒューバーの許に働いている職人であった。しかし彼は仕立屋の一職工としては満足していられず常に大きな野心を抱いて、いろいろヒューバーに献策するが採用されず彼の剽軽な態度は主人のヒューバーを怒らせるばかりであった。ヒューバーは能率万能主義者で使用人を酷使する。ジョンは好機あらばと狙っていたがヒューバーの娘タニヤに心をひかれ、不満ながらも彼のもとに働いていた。彼はついに怠慢の廉でヒューバーに解職されたが彼はむしろ喜んだ。大実業家として羽振りをきかしているアブラハウ・ネイザンを招待してスタンロー家では盛大な夜会を催した。これを知ったジョンはある客の服をヒューバーの所から失敬して夜会に乗り込み、得意の押しと弁舌でネイザンを感服せしめ、彼は一躍ネイザンの許で支配人になった。彼の成功を祈っていたのはヒューバーの娘タニヤである。世を吹き捲くる不況の風はネイザンの会社をも襲ったがジョンは彼一流の政策を実施し各新聞紙は一斉に書き立てたのでジョンは一躍有名となった。驚いたのはネイザン氏以下の重役連。会社は破産だとジョンに迫る。タニヤの婚約者自称哲学者であるソンタッグはタニヤとジョンの仲を疑い、ジョンの前進を世間にばらすと彼を嚇かした。重役達のあまりの驚きと憤慨にジョンは自分の手で己が前身を新聞に発表し、再びヒューバー爺さんの許に一職人として帰った。元来ソンタッグを心から好いていないタニヤは彼のあまりの嫉視に耐えかね、ついに婚約を取消した。ジョンに逃げられたネイザンはジョンを訪れ、彼の政策が功を奏したことを告げ値に倍するサラリーを持って迎えるという条件でその復職をせまった。かくて一介の仕立職人から大会社の支配人に出世したジョンはその後間もなく晴れてタニヤと結婚することとなった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く