猫は這い寄る

解説

ジョン・ウィラード作の舞台劇「猫とカナリア」に基づいて「僕の幸運日」「奈翁精神異状なし」のグラディス・レーマンが脚色し、「愛の訪れ」「沈黙(1926)」のルパート・ジュリアンが監督し、「キング・オブ・ジャズ」「上海夜話」のハル・モーアが撮影したものである。主役は「空中大曲芸団」「青空」のヘレン・トゥウェルヴトゥリーズと「君知るやわが悩み」「マダムX」のレイモンド・ハケットで、「鉄骨エロ騒動」のリリアン・タッシュマン、「暁の偵察」のニール・ハミルトン、「アビーの白薔薇」のシーン・ハーショルト、ローレンス・グラント、テオドル・フォン・エルツ、ブランシュ・フレデリシ、モンタギュー・ラヴ等が助演している。

1930年製作/アメリカ
原題または英題:The Cat Creeps

ストーリー

畸人といわれた独身の富豪サイラス・ウエストの死後20年目、彼の親戚にあたる6人の老若男女は不気味に風雨が暴れ狂う夜半12時を期して、古色蒼然たる森の一軒家ウエスト邸に集まる。ウエスト家の顧問弁護士クロスビーは遺言状を秘密の隠し場から出してみると、何人かがひそかに披見した形跡があるので驚き怪しんだが、この事に関しては沈黙を守ようにと家政婦のマム・プレザントに注意した。12時の時計が鳴るとともにクロスビーは遺言状を読みあげた。それによると故人の姪にあたるアナベルがただ1人の遺産相続人であった。ただし・アナベルが精神異常者である場合には、第3の遺言状を開いて見よという条件がついていた。かくて人々がそれぞれ寝室に引き取ったあと弁護士クロスビーはアナベルに是非注意して起きたいことがあると書斎で話をしようとした。すると彼は背後から何者かのために捕らえられ姿を消してしまった。それからアナベルを中心に奇怪な出来事が連続的に惹起し、彼女はほとんど理性をうしなってしまいそうな状態となった。クロスビーの死体が現れ、暫時の後紛失してしまう。アナベルの従兄にあたるポールが彼女を守っていると怪物が現れ、アナベルを恐怖せしめて理性を失わせようとする。ポールは勇敢に怪物を相手に格闘していると、救援の警官隊が駆けつけた。怪物の仮面をはぐと、それは善人らしい様子をしていたチャールズ・ワイルダーであった。

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