紐育の不夜城

解説

「紐育の丑満時」の姉妹篇で、同じくチャールズ・ブレイビンが監督した。前後2篇からできた物語で、第1篇の主役はクラレンス・ノードストローム、フランク・カーリアー、マーゲリット・セッドン等。第2篇の主役は「紐育の丑満時」で大活躍をしたマーク・マクダーモットとエステル・テイラーの2人である。美しい大都会の灯の影に起こる人生の姿こそ、興味深い劇の材料でなければならない。ブレイビンの鋭利な手腕をふるうに足るべき名篇である。

1922年製作/アメリカ
原題または英題:Lights of New York

ストーリー

〔第1篇〕ニューヨーク・イーストサイドの貧民窟でささやかな質店を営んでいるロバート・リードと妻の間には子供の無いのが何よりも悲しかった。ある日の事貧しげな女が赤子を抱えて店に来て結婚の指輪を質入れしようとした。リードは深く女に同情して幾らかの金を恵み、慰めて帰したが、程経て気が付くと、養育を頼むという紙片が添えられて、その赤子が入口に捨ててあった。夫婦はダニエルという名を付けてその赤子を育てる事にした。月日は経ってダニエルは成人したが、不良少年の群に入り、ジムという悪友にそそのかされ養父のリードに心配をのみかけていた。ある晩ダニエルはスレードの命令で我が家に盗みに入り、父に発見されて彼を射殺し、驚く母まで殺してしまった夢を見て、翻然と我が非を悟り、父母に孝養を尽くすことになった。 〔第2篇〕ある青年が結婚の前夜独身生活に別れの宴を張ったが13人の出席者なので、邸の前を通りかかった薄汚い老人を引っ張り込んで食卓につかせる。食後老人は自分の身の上話をした。彼も若かった頃は相当の暮らしをしていて、やはり独身生活に別れの宴を友人を招いて開いていた際、もと嫁の女から他の男と結婚する旨の手紙が届けられ、その結果失望して幸福を失いかかる零落をしたのだと物語ったが、そのそむき去った女は今宵の主人公たる青年の母なのである。それから2年の後、その老人は昔の恋人たるその夫人と結婚した。 以上2つともあるクラブに集った人々が、輝くニューヨークの灯を見下ろしながら語り合う物語である。

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