年ごろ(1938)
解説
「アヴェ・マリア」に次ぐディアナ・ダービンの第4回主演映画で、「オーケストラの少女」の脚色に参加したF・ヒュー・ハーバートの書卸した原作を、「オーケストラの少女」「アヴェ・マリア」のブルース・マニングが脚色し、「最後のギャング」「大学の人気者」のエドワード・ルドウィグが監督した。撮影はダービンの前3作と同じクジョセフ・ヴァレンタイン、作詞・作曲は「アヴェ・マリア」のハロルドアダムスンとジミー・マクヒューのチームが受け持っている。助演者は「我は海の子」「奥さんは嘘つき」のメルヴィン・ダグラスをはじめ、「腕白時代」「チャムプ」ジャッキー・クーパー、サイレント時代のスターであったアイリーン・リッチ、「店曝しの天使」「小間使(1931)」以来久しぶりのナンシー・キャロル、「素晴らしき求婚」のジョン・ハリデイ、「トム・ソーヤ」のジャッキー・サール、「踊るアメリカ艦隊」の子役ジャニータ・クイッグレー、「新天地」のペギー・スチュワート、「パリの評判女」のチャールズ・コールマン等である。ダービンの前3作と同様に、ジョウバスターナックが制作した。
1938年製作/アメリカ
原題または英題:That Cerrtain Age
ストーリー
新聞社長フライアントンの娘アリスは、母親と2人で田舎の邸宅に住んでいた。唄の上手な彼女は近所の少年少女を集め邸内の別館で歌劇の練習をしていた。ところが父親が有名な新聞記者ヴィンセントに記事を書かせるためこの邸へ無理に連れて来たので、アリスたちは別館から追い出されることになった。そこで子供たちはお化けの真似をしたり、悪戯をしたりして、ヴィンセントを嫌がらせ、1日も早くこの家から立ちのかせる工夫をした。ヴィンセントも無理に連れてこられたので元々ここに居たいとは思わないから、かえってそれを幸いに子供たちと狂暴でこの家を逃げ出し工作を始めることとなり、次の日、アリスの友人ケンに頼んでニューヨークの友達が負傷したからすぐ来いと電話を掛けてもらい、さらにその後でアリスが「直ぐ帰れ」と偽の電報を打つことになった。しかるにその夜の晩餐の席で彼のは梨を聞いてから、アリスはヴィンセントに少女らしい夢のような恋を感じ、彼に居てもらいたいと思うようになったので、「心配なき故帰るに及ばず」と電報を打った。ヴィンセントが帰らないからケンを始めアリスの友達は、彼女が約束を破ったことに腹を立てた。けれどもアリスはヴィンセントに対する憧れに夢中で、急に自分が一人前の女になった気持ちがして、いままでの友達と一緒に遊ぶ気はなくなってしまった。歌劇の主役もメリーに譲ったので、心配したケンは妹を迎えにやったところ、彼女はアリスの日記を持ってきた。それを読むと毎日毎日ヴィンセントに対する愛情が一杯書きつらねてあったので、日頃アリスの騎士を以て任ずるケンは悲劇のあまりこの町を去って海軍へ志願しようとする。ヴィンセントの誕生日にアリスは自分の所持品を売払って彼に贈り物をした。ケンは別れを告げて去るとき、ヴィンセントにアリスが彼を愛していることを告げた。驚いたのはヴィンセントである。早速アリスの両親と相談して、何とか彼女の夢を醒まそうと苦心した。翌日の朝、1人の女がこの家を訪れた。それはヴィンセントと仲の良い婦人記者グレースだったが、彼はアリスに「わたしの妻です」と紹介した。この一言で彼女の夢は無残にも破れ去ったけれども、利口なアリスは自分の気持ちが間違っていたことを悟り、静かに日記帳を破り捨てた。ヴィンセントは新聞記者の小父さんである。自分の遊び相手は他にいる。彼女は急に晴々とした気持ちになって、前と同じように元気で快活な少女に帰り、ケンやその他の友人たちのところへ走った。やがて彼女たちの歌劇が開かれた夜、微笑みを浮かべつつ歌うアリスの姿は、いかにも純真な娘だった。そして客席の両親の顔にも、深い安心の笑いがみられた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- エドワード・ルドウィグ
- 脚色
- ブルース・マニング
- 原作
- F・ヒュー・ハーバート
- 製作
- ジョー・パスターナク
- 撮影
- ジョゼフ・バレンタイン
- 音楽
- ジミー・マクヒュー
- ハロルド・アダムソン
受賞歴
第11回 アカデミー賞(1939年)
ノミネート
音響録音賞 | |
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主題歌賞 |