男性の敵

解説

「闇を行く」「巴里のアパッシュ」のマーガレット・リヴィングストン嬢と「熱沙果つるところ」「ラモナ(1927)」のワーナー・バクスター氏が主演する映画で、イゾラ・フォレスター女史原作の物語をエルマー・ハリス氏が改作「激浪の響」「最後の戦線」のウィル・M・リッチー氏が台本を執筆し、「赤い谷から来た男」「突撃男児」のエドモンド・モーティマー氏が監督したもの。助演者は「私のパパさん」「ノアの箱船」のアーマンド・カリス氏、ジョン・セント・ポリス氏、マチルド・コモン嬢等でキャメラは「アリバイ」「久遠の焔」のレイ・ジューン氏が担当した。

1928年製作/アメリカ
原題または英題:A Woman's Way

ストーリー

パリ羅典区にある赤狐亭というカフェーにリアヌ・ベリルという美しい踊子がいた。男嫌いとして通っていた彼女は大きな望みを抱いていた。それはパリのオペラ座のダンサーとなることであった。しかしリアヌの此の夢は何時の日に現実となるかわからなかった。アパッシュのならず者ジャン・ビリビは此の男嫌いと称する踊子を手に入れて見たいと自惚れ、日毎夜毎うるさく彼女につきまとっていた。米国からパリ見物に来た富豪の若者トニー・デューラントは一夜此のカフェーに立寄ってリアヌの舞姿を見て心を惹かれた。リアヌも此のアメリカ青年を好ましく思った。ジャンは強盗を働き捕えられて20年の懲役に處せられた。リアヌは心残りなくトニーと恋を語らった。トニーは愛人のために運動しリアヌがオペラ座の舞台に立つことが出来るように取りはからった。リアヌは成功しシーズンの終り頃には抜擢されて第1舞踊手となり、トニーと結婚する運びになった。その前夜リアヌの許に呪いの紙片が舞込んだ。ジャンは破獄してパリに身をひそめていたのだった。リアヌは紙片をたよりに怪しげな旅館にジャンを訪れた。ジャンは彼女に恐ろしい要求をした。リアヌの身を気遣って跡を追って来たトニーは、嫉妬に狂うジャンの刃を胸に擬せられ、あわや兇刃に仆れようとした。その刹那脱獄者ジャン・ビリビを捜索していた官憲の弾丸はジャンを見舞った。かくてリアヌは始めて何ものにも患らわされないで愛するトニーの腕に抱かれた。

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