空の軍隊

解説

「宝島(1934)」「曲芸団」のウォーレス・ビアリーが主演する映画で、ジョン・モンク・ソーンダースが書き下ろした飛行機物である。脚色には「大空の闘士」「大飛行船」のフランク・ウィード少佐がアーサー・J・ベックハードと協力し、監督にはサイレントの昔に活躍したリチャード・ロッスンが当たり、「エスキモー(1934)」「ターザンの復讐」のクライド・デ・ヴィナが撮影し空中撮影は「夜間飛行」と同じくチャールズ・マーシャルとエルマー・ダイヤーが協力している。助演者は「死の本塁打」「ロスチャイルド」のロバート・ヤング、「白い蘭」「ターザンの復讐」のモーリン・オサリヴァン、「宝島(1934)」「クリスチナ女王」のルイス・ストーン、舞台から来たロザリンド・ラッセル、「自由の魂」のジェームズ・グリースン、新顔のロバート・テイラー、「白衣の騎士」のラッセル・ハーディー、「影無き男(1934)」のヘンリー・ウォズウォース等である。

1935年製作/アメリカ
原題または英題:West Point of the Air

ストーリー

1912年は未だ航空界の時代だった。その頃から米国陸軍飛行隊所属の軍曹「ビッグ・マイク」は将来に於ける飛行術の偉大な進歩を確信して、1子「リトル・マイク」を立派な飛行士官にする事が唯一の野心で着々と勤勉に任務をかした。彼の野心は実現して「リトル・マイク」は立派にウェスト・ポイントの士官学校を卒業し「ビッグ・マイク」の勤務するランドルフ陸軍飛行隊所属の飛行少尉に任命され同隊司令官カーター将軍の1子フイルと共にいまなお、1軍曹として勤務する老練な「ビッグ・マイク」の教導の下に置かれた。「リトル・マイク」はカーター将軍の娘スキップと幼なじみで2人は許婚の仲だったが、彼がランドルフ飛行場に来て間もなく士官学校時代から関係のあったデーアなる年長の婦人が出現して2人の間に陰影を投げた。若い飛行将校がいよいよ1人前の飛行家になる試験飛行の際、親友フィイルは誤って墜落集脚を失い、今1人の友ジャスカレリは墜落惨死したのを目撃した「リトル・マイク」はすっかり勇気と希望を失って退役を申し出た。父親「ビック・マイク」は失望と激励の極み「リトル・マイク」を殴打したので情感殴打の罪によって彼は免官された。一生の希望を挫折された「ビック・マイク」は私立遊覧飛行会社の1雇員となってわずかに糊口をしのいでいたが伜がいよいよ退役の決意を翻さぬ事を知り、身を以て彼を慰める決心でボロ飛行機に乗り私か伜の代わりに夜間飛行演習に参加した。これを知った「リトル・マイク」は父親の身の危険を座視するにしのびず、決然として起きて父の危急を救った。この功に依って「ビック・マイク」は再び軍籍に戻ることが出来、伜「リトル・マイク」は立派な飛行士官たるべき首途につく事が出来た。

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