足下の雷鳴
解説
トーマス・ルークの小説を「船出の朝」のジョセフィン・ラヴェットとシドニー・バックマンの二人が映画脚本に書き改め、「愛する権利(1930)」「キック・イン」のリチャード・ウォーレスが監督、「素晴らしき嘘」「激流を横切る女」のチャールズ・ラングが撮影した映画で主なる出演者は「私の罪」「心を汚されし女」のタルラー・バンクヘッド、「ボルネオの東」「異国の母」のチャールズ・ビックフォード、「めくらの鼠」「春ひらく(1931)」のポール・ルーカス、「街のをんな」のユージーン・パレット、ラルフ・フォーブス、レスリー・フェントン、ジェームズ・フィンレイソンをその他である。
1932年製作/アメリカ
原題または英題:Thunder Below
ストーリー
中央アメリカにサン・マテオをいう町がある。そこは何時もジメジメしているうえ非常に暑さがきびしい熱帯地であった。ここには数人の米国人を中心に石油の事業が起こされていた。この人たちのなかに経営者のワルトと妻のスーザン、彼の親友であり、また仕事の上では片腕とも言うべきケーンもいた。ところがケーンはワルトとは主従、親友の関係にありながらその妻スーザンとの恋愛関係から脱することが出来ず何時かそのことを彼に打ち明けてこの苦しいと途を開かなければならないと機会を待っていたが不慮の災難のために盲目となってしまった気の毒なワルトの姿をみるとその問題を持ち出す勇気も挫けてしまうのであった。不自由な体となったワルトは以前にもましてケーンを信じ力と頼むようになった。この不幸な彼に同乗し、またその信頼に縛られた二人の恋はなおも燃え続き、そして二人はこの苦しい恋に悩み通しているのである。ワルトは見えないながらも二人の間のある危険な空気を漢字、それでもケーンを信じ、また妻を信じ彼女の愛がいつまでも変わらないことを願った。ケーンはこの苦しい生活に堪えかねて数週の休暇を利用して身を引こうと決心する。不幸な恋に絶望したスーザンは傷ついた心のやり場とちえケーンの後任者デヴィスの仕事を助けなどしてせめて気分を換えようとつとめたのが反って夫の疑いを買い、ケーンは彼によって呼び戻される。再び会った二人はその日遂に燃え盛る恋に運命をまかせてしまった。しかし善良な盲目のワルトを想うとき二人は悔いに泣き、スーザンは崖から身を投げ自らをこの苦しさから葬ってしまった。彼女の死を発見したケーンは彼女への愛とワルトへの罪のつぐないのため前にも増して彼への誠実を誓い二人は淋しく人生への行路と共にしたのであった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- リチャード・ウォーレス
- 脚本
- ジョセフィン・ラベット
- シドニー・バックマン
- 原作
- トーマス・ルーク
- 撮影
- チャールズ・ラング