戦時特派員

解説

「大飛行船」「空の王者」と同じくジャック・ホルトとラルフ・グレイヴスが共演する映画で、キート・トンプスンが書き下ろした物語を「たそがれの女」「大飛行船」のジョー・スワーリングが脚色し、「恐怖の甲板」「爆笑隊従軍記」のポール・H・スローンが監督にあたり、ベンジャミン・H・クラインが撮影している。助演者は「空の王者」「六月十三日の夜」のライラ・リーを始め、駒井哲、ヴィクター・ウォング等である。

1932年製作/アメリカ
原題または英題:War Correspondent

ストーリー

フランクリン・ベネットは戦時特派員として中国の騒乱地にあって戦争の実況放送をしている。彼は常に安全地階におりながら非常な危険を冒しつつあるかの如く吹聴する臆病な男である。国民軍所属の婦負飛行家陳将軍は敵の恐怖のまとであるが、陳将軍とは仮の名で実はアメリカ人ジム・ケニヨンで、許婚者ジュリー・マーチと近く結婚する筈である。陳将軍の素晴らしい空中戦を放送したベネットは、陳将軍と会見してマイクロフォンの前に立たせ様と目論み訪れる途中、自動車と衝突した人力車場の美人を介抱した。その美人はジュリーであった。ケニヨンは戦地にあって新聞をみるとベネットのジュリー救助事件が針小棒大に書いてありベナットは英雄的行為を以て美人の感謝を受けた云々の記事に憤慨と嫉妬の念を禁じ得なかった。その後ケニヨンとベネットは相会い、たがいに憎み合い、ジュリーを挟んでの恋敵となる。しかしベネットは遂にケニヨンをマイクの前に立たせることを説得する。ベネットは陳将軍の勇敢さを称揚すると共に事故宣伝をも例の如くやり始める。憤慨したケニヨンはマイクに向かってベネットは大嘘破棄の卑怯者であるとどなる。ところがこのためにジュリーはベネットを愛していることを自覚して彼と結婚してしまう。ところがある日波止場付近を匪賊が襲い居合わせたジェリーは匪賊の頭目ファングに拉致される。ファングはメニヨンがもっぱら討伐に努力している匪賊である。ベネットはケニヨンを訪ねジュリーを助けてくれと懇願する。ケニヨンは軍機ファングの本拠に飛来して会見し、ジュリー返戻を交渉する。そこに勇気を古い起こしてベナットも来る。人払いをした席上でケミヨンはファングを殺し、生けるが如く装ってベネットと2人でファングを抱いて歩かせ城廓を抜け出したが、遂にその詭計を看破される。ベネットとジュリーが自動車で逃げるのをケニヨンは低空飛行して追跡隊を防いだが、遂に敵弾を受けて負傷し墜落する。ケニヨンの犠牲によってジュリーとベネットは九死に一生を得、ベネットは臆病癖を克服することができた。

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