世界一の金持ち娘
解説
「生活の設計」「南風」のミリアム・ホプキンスが主演する映画で、「アフリカは笑ふ」のノーマン・クラスナが原作脚色し、「頓珍漢丸儲け」「七月の肌着」のウィリアム・A・サイターが監督に当たり、「空飛ぶ悪魔」「熱血撮影隊」のニック・ミュスラカが撮影した。助演者は「人生の行路」「南海の劫火(1932)」のジョエル・マクリー、「バワリイ」「ある日曜日の午後」のフェイ・レイを始め、「痴人の愛」「肉弾鬼中隊(1934)」のレジナルド・デニー、「若草物語(1933)」「自由の翼」のヘンリー・スティーブンソン「メリケン万歳爆走の巻」のジョージ・ミーカー、「大帝国行進曲」のベリル・マーサー等である。
1934年製作/アメリカ
原題または英題:The Richest Girl in the World
ストーリー
ドロシー・ハンタースは世界一の金持ち娘であったが、幼い時以来外国で育ったので彼女の顔を知っている物は後見人と親友シルヴィアと彼女の良人フィリップスしかいない。ドロシーは資産目当ての男と結婚するのを好まず、それを避けるために、シルヴィアと身柄を交換する。ドロシーはシルヴィアと名乗り、秘書となり、シルヴィアは金満家の娘と名乗る事にしたが、色々な問題が起こるので良人フィリップは非常に反対である。ある時ドロシーはアンソニー・トレヴィスと言う好箇な青年と会い、親交を結ぶ。しかし彼女は彼の心境を試そうとして、絶えずシルヴィアを同伴し、彼が金満家という資格に引っ掛かるか否かを試験する。さすがのアンソニーも見事この陥弄にひっかかり、次第にシルヴィアに心を奪われていく。最後のテストとしてドロシーはアンソニーを豪華な山荘に案内し彼を躍動してシルヴィアに求婚させる。シルヴィアは巧みに金満家の役を演じ、彼の申し出を承諾する。そこでドロシーはアンソニーもまた富を重んじるものと思い込み、失望落胆する。その夜アンソニーはフィリップがシルヴィアの寝室へ這入るのを見て、2人が実は夫婦である事を知らないから大いに吃驚する。その翌朝アンソニーはシルヴィアとの婚約を破棄する。ドロシーはもう一度かれの心境を試そうと思って、昨夜はシルヴィアの部屋で眠ったと彼に告げる。この時突如アンソニーは自分がドロシーをばこの世の何者にもまして愛していることを自覚する。彼は恋敵だと思い込んだので誤解も聞かずにフィリップを殴り倒し、ドロシーが実は世界一の金持ち娘とは知らぬままに、彼女をば無理に山荘から外へと連れ出すのであった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ウィリアム・A・サイター
- 脚本
- ノーマン・クラスナー
- 撮影
- ニコラス・ムスラカ
受賞歴
第7回 アカデミー賞(1935年)
ノミネート
原案賞 | ノーマン・クラスナー |
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