西班牙狂想曲

解説

「恋のページェント」についでジョセフ・フォン・スタンバーグが監督したマレーネ・ディートリッヒ主演映画で、ピエール・ルイス作の小説「女と人形」に基づき、米国有数の作家ジョン・ドス・パソスが潤色し、S・K・ウィンストンが脚色し、撮影には監督者フォン・スタンバーグが自ら当たっている。伴奏音楽はリムスキー・コルサフ作曲「カプリース・エスパニョール」及びスペイン俗謡が使われている。助演者は「恋の凱歌」のライノネル・アトウィル及びアリスン・スキプワース、「コンチネンタル」「生活の設計」のエドワード・エヴァレット・ホートン、「お人好しの仙女」のシーザー・ロメロ、「クカラチャ」のドン・アルヴァラド、テンプ・ピゴット等である。

1935年製作/アメリカ
原題または英題:The Devil Is A Woman

ストーリー

スペインのアンダルシアの街はカーニヴァル祭のため興奮の渦に巻き込まれていた。この中で、世を忍ぶ国事犯の若者アントニオは仮装した美貌の女を見つけ、彼女がスペイン随一の踊り子コンチャとは知らずに跡を追ったが、彼女は手紙を残して邸内へ姿を消した。翌晩アントニオはコンチャの手紙によりシカモア街へ出掛け彼女を待つ間ある酒場で図らずもすっかり零落した友ドン・パスクァルに会った。アントニオがコンチャに夢中である事を知ったパスクァルはコンチャに関して自らの過去を打ち明けてアントニオの注意を喚起した。今より丁度5年前、財産も名誉もあり、陸軍将校だったパスクァルはある休暇の日パリに遊んでの帰路、車中でコンチャと会い彼女の美貌に魅せられた。その後パスクァルは煙草工場を見学したとき、女工として働いているコンチャを見出し、彼はコンチャと結婚する目的で彼女を工場から退かせ彼女の母に大金を与えた。しかしコンチャは彼を愛していなかったし結婚する気持ちはさらになかった。ただパスクァルの気持ちを利用して彼から大金を巻き上げるのが目的だった。浮気者のコンチャは男を作っては姿を消し、金が無くなるとパスクァルの許に現れて限り無き無心をした。しばらくしてパスクァルは彼女のために財産を無くし、要職を免ぜられたがなおコンチャを忘れられなかった。アントニオはパスクァルの告白を聞いて彼のためにコンチャを呪い、彼女と会わずパリへ立つと誓ったが、偶然に彼女に会ってみると全てを忘れてしまうのだった。コンチャもアントニオによって真の愛を見出し、その逢瀬を楽しんだが、そこに現れたパスクァルはアントニオの不信を怒り決闘を申し渡した。コンチャはパスクァルが拳銃の名手であることを知ってアントニオにパリへ逃れる様勧めたが彼は承知しなかった。翌朝決闘が行われたがパスクァルは全然発砲せずアントニオの弾に倒れた。コンチャが心からアントニオを愛している事を知ったパスクァルは彼らの幸福を祈ると共に、彼女に対する煩悩を断つため友のピストルによって全てを精算せんとしたのだった。自分の為に一生を棒に振り、いま又病床に横たわるパスクァルのためにコンチャは自分の恋をあきらめ、アントニオを1人パリへ立たせてパスクァルの許へ急ぐのだった。

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