地獄への近道

劇場公開日:

解説

「第三の男」「静かなアメリカ人」のグレアム・グリーンの原作「拳銃貸します」を、「千の顔を持つ男」のジェームズ・キャグニーが監督に進出して作った第1回作品。哀れな殺し屋の破滅の物語で、この原作は、アラン・ラッド主演により、彼の出世作として同じパラマウントで映画化されたことがある。前作の脚本W・R・バーネット作のものを、さらにテッド・バークマンとラファエル・ブラウが共同脚色し、撮影監督はハスケル・ボッグス。音楽はアーヴィン・タルボット。出演者はいずれも無名に等しい新人の登用という試みがなされ、「紐育ウロチョロ族」のロバート・アイヴァース、ジョーガン・ジョンソン、ウィリアム・ビショップ、ジャック・オーブション、ピーター・ボールドウィン、イヴェット・ヴィッカース、ジャクリーヌ・ベール等。製作A・C・ライルズ。

1957年製作/アメリカ
原題または英題:Short Cut to Hell
配給:パラマウント
劇場公開日:1958年7月15日

ストーリー

カリフォルニアのオークランドの安下宿の1室にカイル(ロバート・アイヴァース)という神経質そうな青年が住んでいた。下宿の浮気娘デイジー(イヴェット・ヴィッカース)の誘いにも手を出さぬ彼の職業は“殺し屋”だった。カイルの次の仕事は建設局の役人アダムズを殺すことだった。アダムスを殺した彼は、傭い主バーウェル(ジャック・オーブション)から1000ドルの報酬をもらった。ところがバーウェルはその紙幣の番号を、盗難にあっと偽って警察に知らせた。そのため、下宿代の支払いから足がついてスタン・ロアリー(ウィリアム・ビショップ)という刑事がカイル逮捕にやってきた。彼と下宿の主人との話を盗み聞いて逃げ出したカイルは、バーウェルへの復讐のため、バーウェルの本拠ロスアンジェルスに向かって急行列車にのりこんだ。列車の中で彼と隣あわせたのは、スタン刑事の恋人で歌手のグローリー(ジョーガン・ジョンソン)だった。彼女はナイト・クラブで歌う契約のためロスアンジェルスに行く途中だった。同じ列車に、バーウェルも乗っていた。女好きの彼はグローリーに目をつけていたが、車中にカイルを発見して列車を臨時停車させ、警察に急報させた。危険をさとったカイルはグローリーを人質にして列車をおり、ロスアンジェルスに近い小さなその町に潜入した。グローリーはカイルと別れてナイト・クラブに行ったが、そこの常連だったバーウェルの邸に連れられていって、カイルのことを問いつめられ、監禁された。スタン刑事がクラブで聞いてグローリーを探しにきたが、バーウェルの子分のニコルズに云いくるめられて帰った。その直後カイルが現われ、グローリーを助けて自動車を奪って逃走した。2人の乗る車は警察に追われて大きなアルミニウム工場に逃げこみ、2人はその地下室に閉じこもった。警察の包囲のうちに、グローリーは不幸なカイルの生いたちを聞いて同情した。夜が明けると、グローリーはカイルのレインコートと帽子を身につけてマンホールから地上に出た。警官隊が彼女をカイルと思って追いうち、カイルはバーウェルを射殺し、自分も弾丸をうけて死んだ。彼の手には、バーウェル一味の犯罪記録がしっかり握られていた。

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