地獄道28
劇場公開日:1963年2月20日
解説
数週間かかって掘ったトンネルから、28人の東ベルリン市民が西ベルリンへ脱出した実話を素材にガブリエル・アプトンが書き、彼とピーター・バーニース、ミラード・ランペルが脚色した。監督は「らせん階段(1946)」のロバート・シオドマク、撮影はドイツのゲオルク・クラウスである。出演者は「隊長ブーリバ」のクリスティン・カウフマン、「向う見ずの男」のドン・マレイ、ワーナー・クレンペラーなど。製作はウォルター・ウッド。
1962年製作/94分/アメリカ
原題または英題:Escape from East Berlin
配給:日本ヘラルド
劇場公開日:1963年2月20日
ストーリー
クルト・シュローダー(ドン・マレイ)の家は、東西ベルリンの境界線近くにあった。ある日、クルトは友人が東ベルリンから西側へ脱出を試み殺されるのを目撃した。翌日、友人の妹エリカ(クリスティン・カウフマン)がクルトを訪ねてきたが、彼は兄の死を話せず脱出に成功したと偽ってしまった。これを聞いたエリカは早速自分も脱出しようとして警官に追われた。が、寸前クルトに救われていた。今やクルトとエリカたちに残された道はただ1つ、西ベルリンへの脱出だった。そこで考えついたのがクルト家の地下室から西ベルリンへ地下道を掘ることだった。翌日、彼らはすぐ実行に移った。金づち、シャベル、つるはしを道具に仕事は徐々にはかどっていった。何時間も何時間もこの作業は沈黙のうちに続いた。まだ女学生のエリカも元気に泥まみれになって働いた。そうした彼女をいつしかクルトは愛するようになっていた。が、クルトは兄の死をもうこれ以上隠しておくことはできなかった。思いがけない事実を知って泣き崩れるエリカ……。彼らの努力はなおも続いた。突然、大地響とともに彼らの頭上に土が崩れ落ちてきた。数台の戦車が彼らの上を進んでいるのだ。ある雨の夜、角材が天井を突き破ってきた。クルトは思わず背中で支え、辛うじてその下に組木をこじ入れた。境界線の壁の周囲に張り巡らされたバリケードの柵がめり込んできたのだ。もう自由は鼻の先までやってきている。つるはし、シャベルに自然と力が入った。と、突然、クルトの家族やエリカたちのほかに、自由を求める市民がなだれ込んできた。そして総勢28人になってしまった。クルトやエリカたちは一瞬困惑した。が、28人は一致協力してトンネルを掘り続けることになった。そして、遂に西ベルリンへの自由の穴があき、脱出に成功した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ロバート・シオドマク
- 脚本
- ガブリエル・アプトン
- 脚色
- ピーター・バーネイズ
- ミラード・ランペル
- 製作
- ウォルター・ウッド
- 撮影
- ゲオルク・クラウゼ