女傑

解説

ニューヨークの劇場で当たりをとった「母親の百万ドル」を舞台上演当時と同じくメイ・ロブソンが主演した映画で、原作はハワード・マッケント・バーンス。これを「サブマリン」のウィニフレッド・ダンが脚色し、「恋と拳闘」「愛欲外道」のジェームズ・フラッドが監督し、「歓楽の巷」のアーネスト・ミラーが撮影した。助演者は「地獄の天使(1930)」のジェームズ・ホール、ローレンス・グレイ、「龍の娘」のフランセス・デード、エドモンド・プリーズ、リリアン・ハーマー等の面々。

1931年製作/アメリカ
原題または英題:Mother's Millions

ストーリー

世界一の大金持ちの女ハリエット・プリーン夫人は息子のトムと娘のフェヤーに厳格な教育をほどこして育てた。だがそれにも拘らずトムは母の眼を盗んでは悪所通いをし、ついに遊蕩に金を費やして借金をこしらえてしまう。それを返すために彼はウォール街における母親の仇敵レミントンから金を借りる。トムが相続財産を抵当にして金を借りたことを聞いた母親は懲らしめのためトムを勘当する。いまは娘のフェヤーが母親の業務一切を切り回している。彼女はすでに母親の片腕とも言うべきデヴィット・タルポットと恋に陥ちている。しかしこれに気のついた母親はデヴィッドを財産目当ての求婚者と見なして彼を解雇する。商売仇のレミントンは次第に窮迫し、デヴィッドを雇ってハリエット・ブリーンの事業の秘密を嗅ぎ出そうとする。2カ年の後、トムは母親の誕生日に瓢然と帰って来た。折角、デヴィッドから前の雇い主の秘密を聞こうと企んだのに一言も言わないのでレミントンはこんど方向を一転してトムと親交を結ぶ。最後の拠所としてレミントンはトムを通じてブリーン夫人に対抗しようと計画したのである。彼はトムは気の弱い男で、機会を与えれば母親をすら裏切るだろうとブリーンに聞こえるように言いふらす。ブリーン夫人は市場に乗り出し、レミントンの仲間から株を買い上げる。トムがいよいよ試験される時が来た。レミントンは彼を家へ呼び、前と同じ条件で莫大な金を貸そうとする。しかし現在金の入用なトムではあったがそうすることによって再び迷惑のかかることを考えきっぱり拒絶した。母親は気づかれないようにこの一什始終を立ち聞きいてしまう。そしてやがてレミントンの嘘はバレ、今度こそは真からの一文無しとなってしまう。だがどこまでも自分の非を悟らぬレミントンはいきなりピストルを夫人に射しむけた。トムは母をかばう。レミントンは負けた。ブリーンはトムのために日頃彼が希望する鉄道会社を買ってやる。一方デヴィッドも忠誠が認められ、娘フェヤーとの結婚も許される。子供等はここに漸く母親の慈愛を悟ることが出来たのである。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く