ジュリアス・シーザー(1953)

劇場公開日:

解説

ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』の映画化で、「五本の指」のジョセフ・L・マンキーウィッツが監督に当たった1953年作品。製作は「悪人と美女」のジョン・ハウスマン。「愛の決断」のジョセフ・ルッテンバーグが撮影を、「悲恋の女王エリザベス」のミクロス・ローザが音楽を担当。出演者は「革命児サパタ」のマーロン・ブランド、「ゼンダ城の虜(1952)」のジェームズ・メイスン、英劇壇のジョン・ギールグッド、「ゼンダ城の虜(1952)」のルイス・カルハーン、「拳銃無情」のエドモンド・オブライエン、「愛の決断」のグリア・ガースン、「地上より永遠に」のデボラ・カー、「探偵物語」のジョージ・マクレディ、「血闘」のリチャード・ヘイル、「悲恋の女王エリザベス」のアラン・ナビア、マイケル・ペイトら。

1953年製作/アメリカ
原題または英題:Julius Caesar
配給:MGM映画会社
劇場公開日:1953年12月6日

ストーリー

紀元前44年、ローマはジュリアス・シーザー(ルイス・カルハーン)が終世執行官となるに至って、貴族たちの間に政治的憤懣が高まった。シーザーの反対派はかつて彼が葬り去ったポンペイの追従者たちで、一方シーザーの味方は彼に熱烈な忠誠を誓う軍隊の隊長マーク・アントニー(マーロン・ブランド)であった。その中間に理想主義者たちがおり、その指導者は哲学者のカトーだったが、彼の自殺後、彼の娘婿ブルータス(ジェームズ・メイスン)がこの中間派の第一人者だった。ルペルカリアの祭の日、シーザーは競技場へ向かったが、その途中、路傍の占者から3月15日に気を付けよと呼びかけられた。競技場でアントニーはシーザーに3度王冠を捧げ、シーザーは3度それを拒んだ。ブルータスはシーザーが王冠を拒みながらも心中それに惹かれているのを見てとり、危険なものを感じた。折も折、シーザー打倒を指導するカシアス(ジョン・ギールグッド)がブルータスを言葉巧みに抱き込みにかかっていた。カシアスは公正と誠実さで民衆に人気を持つブルータスを利用しようとしていた。3月14日の夜、激しい雷雨をついてカシアス、カスカ(エドモンド・オブライエン)ら謀反一味は、彼らの計画をブルータスに打ち明けるため彼の家の庭に集まった。ブルータスはシーザー暗殺には賛成したがアントニー殺害には反対した。一味が帰ったのち、ブルータスの妻ポーシャ(デボラ・カー)は物思いに沈む夫を見て何か気がかりであった。一方シーザーの妻カルプルニア(グリア・ガースン)もその夜は不吉な夢から目覚め、夫に今日は元老院へ行かぬよう切願した。しかしシーザーは元老院に王冠が自分を待っているものと信じ、振り切って出かけた。謀反者たちは計画どおりシーザーを殺害した。ブルータスは参集したローマ市民に向かって、共和制ローマをシーザーの野心から守るためだったと説いてかれらの支持を得た。しかしつづいて登壇したアントニーが無類の雄弁をふるってシーザーの死を悼んだので熱狂した群衆は暴動化した。ブルータスらの謀反者は逃れ去り、ローマはアントニーとオクタヴィアスの支配に帰した。謀反者たちの間は円満に行かず、就中、ブルータスとカシアスが対立したが、ポーシャ自殺の悲報に和解し、ハイリポの平原でアントニーの軍勢と決戦を挑む決意を固めた。会戦はアントニー軍の決定的な勝利に終り、カシアスもブルータスも、自らの命を絶った。ブルータスのそばに立ったアントニーは、ブルータスこそ最も高潔なローマ人だったと、追悼の言葉を送った。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第26回 アカデミー賞(1954年)

受賞

美術賞(白黒)  

ノミネート

作品賞  
男優賞 マーロン・ブランド
撮影賞(白黒) ジョセフ・ルッテンバーグ
作曲賞(ドラマ/コメディ) ミクロス・ローザ
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映画レビュー

3.0ブルータスお前もか

2023年8月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

2023年8月15日
映画 #ジュリアス・シーザー (1953年)鑑賞

題名はシーザーとなっているが、実際はブルータスが主人公。シェイクスピアの原作もそうですから。しかしwikiなんかではアントニー役の #マーロン・ブランド が最初に名前が書いてある
無冠の帝王 #ジェイムズ・メイソン じゃ弱いと思ったか?

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とし

3.5ベルベットボイス

2020年4月16日
Androidアプリから投稿

ギールグッドの若き勇姿を見るのと
〈絹にくるまれた銀のトランペット〉と称賛された声を聴いてみたくて 視聴
さすがでしたが、ブルータス役のメイソンの
〈ベルベットボイス〉の方に魅了されてしまいました

見せ場は 散文で論理的思考に訴えたブルータスと
韻文で感情に訴えるアントニーの演説合戦で、ブランド頑張ってます
(遠い昔、学校で習ったような気が… )

男達のセリフ合戦の映画でした

で、グリア・ガースンもデボラ・カーも刺身のつま以下でしたね

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jarinkochie

1.5それで結局何故シーザーは暗殺されたのか

2018年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

総合:30点 ( ストーリー:20点|キャスト:50点|演出:30点|ビジュアル:55点|音楽:65点 )

 シェイクスピアの原作だからだろうが、舞台演劇が演出の基になっているようで人物の動きが無くて駄目。いちいち大袈裟な科白を言わないと物語が進行しないし、それは冒頭から市井の民衆までが偉そうな科白を延々と言うのだから、物語と映像を見せるというよりはただただ科白を聞かせるということが作品の中心となってしまっている。これがとにかくつまらない。
 そして物語がまたくだらない。なぜシーザーは暗殺されなければならないのか。この極めて重要なことがまず描かれていない。シーザーは水泳で私に負けた・病気の時に情けない態度で水をくれるように頼んだ、そんなやつを指導者にしてはいけない。そんな小学生が虐めをするような馬鹿げた理由で、国家の指導者の暗殺計画に加わることになるという脚本に呆れる。結局シーザーは優れた指導者とはいえ野心に満ちた傲慢な男で暗殺に値するのかどうかが、最後まで描かれることはない。
 そしてブルータスは他の者と異なり自分の嫉妬や野心のためではなく、ローマのためみんなのために立ち上がったという結論になっている。いや、そんなことはいつ描かれていたの?そう結論付けたいのならば、せめてそれがわかる彼の実際の行動を見せる場面をちゃんと物語に入れてくれ。ただブルータスは高貴だ高貴だ高貴だと、証拠もないまま無意味に何十回も作品中の科白で繰り返しただけではないか。彼が高貴であることなどまるでわからなかったし、そもそもどんな人物であるかすらわからなくて、シーザーも他の者も含めて人物像の描き方はまるでなっていない。

 このくだらない物語と演出にほとほと嫌気がさす。映像は殆ど建物の内外で喋っている人々を映すだけで面白みがなく、後半の戦闘の場面もほんの申し訳程度のもの。

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Cape God

3.0裏切りには報復で

2018年5月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

原作はシェイクスピア、アントニーがマーロン・ブランド、ブルータスはジェームズ・メイソン。
権力闘争はいつの時代も、どこの国でも同じことを繰り返している。
神様から見放されてしまうよ。

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いやよセブン

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