少年ドン・キホーテ
解説
若き新人エリーナ・ウィットニー「麦秋」のトム・キーン、「永遠に愛せよ」のディッキー・ムーア及びヴァージニア・ワイドラー、「薔薇はなぜ紅い」のエリザベス・パターソンが共演する映画で、ケイト・ダグラス・ウィギン作の小説に基いてヴァージニア・ヴァン・アップ、ドア・シャープ及びギルバート・W・プラットが脚色し、「最後の駐屯兵」「無電非常線」のチャールズ・バートンが監督に当たり、「ピストルと音楽」のハリー・フィッシュベックが撮影したもの。助演は「白い友情」のサミュエル・S・ハインズ及びエスター・デール、「航空十三時間」のペニー・バートレット、「男の敵」のJ・M・ケリガン、「南国の河唄」のアイリーン・フランクリン、子役サリー・マーティン等。
1936年製作/アメリカ
原題または英題:Timothy's Quest
ストーリー
アメリカの或る町に子供を盗んで商売にしているカッドとフロッシイという夫婦がいた。8歳のティモシィと3歳のゲイという孤児の兄弟は、この悪魔の家から逃げ出して馬車の中に隠れたり、貨物列車の中で寝たりしながら、二人はプレザント・ヴァリイの町へたどり着いた。ティモシィはドン・キホーテを崇拝し、ゲイに優しい母を見つけてやったら自分はドン・キホーテのような偉い騎士になろうと思っていた。歩き疲れた二人は或る農家の庭先で眠ってしまったが、教会から帰ってきたヴィルダに発見され、そこを追い払われようとした。ヴィルダの姪マーサが二人をかばってくれたので、妹のゲイだけがそのカミンス家に置いてもらうことになった。ヴィルダは男の子が嫌だったが、ゲイが兄を求めて泣きやまぬのでティモシィも暫く置いておこうと言った。彼は一人前になろうと一生懸命働いた。近所の意地悪娘のサマンサは始終彼を苛めた。或る時ティモシィは馬に乗ってドン・キホーテの真似をしていると危うく牛に突き殺されそうになったが、その時デイヴィットという青年が牛を組伏せて彼を助けてくれた。この時からティモシィは彼を尊敬し二人は仲良しとなった。デイヴィットとマーサは恋し合っていたが伯母のヴィルダは二人の会うことを喜ばなかった。カミンス家に子牛が生まれた。ティモシィはそれにサンチョと名付けて可愛がっていたが、ヴィルダはこの子牛を肉屋のジェーブに売ろうとした。ティモシィは驚いて子牛を隠したがサマンサに見つけられヴィルダに強く叱られた。牧師のフェロースはティモシィに同情しヴィルダを説いて洗礼を受けさせようとしたが無駄だった。ヴィルダの手紙でカッド夫妻がやって来た。しかし根は優しいヴィルダは子供を返すことを拒みカッドの要求した金の支払いも拒絶したので夫婦は子供をさらって逃げた。だが間もなく夫婦は町で捕えられティモシィとゲイはヴィルダ・カミンスの養子となり洗礼を受け、ディヴィットとマーサも結婚した。