「ジワる恐怖、亡霊達の復讐劇」ザ・フォッグ(1980) カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
ジワる恐怖、亡霊達の復讐劇
ジョン・カーペンターレトロスペクティブ2022にて劇場鑑賞。
ジェイミー・リー・カーティスとジャネット・リーのホラー女優親子の共演も話題になった、巨匠ジョン・カーペンターの異色作品で2005年にはリメイクもされた人気映画。
美しい港町アントニオベイに異変が起こり始め、深い霧が徐々に侵食してくる様子がこれから起こる惨劇をカウントダウンしているかのようでジワジワと恐怖を煽る。
よそ者が街に入って来て、騙され金品を奪われ殺害され、長い時を経て亡霊となり街の人たちの子孫に復讐をするというプロットは八つ墓村などにも見られるが、どこにでもあるような都市伝説であるが故のリアリティを感じさせ、冒頭におじさんが子供達に話すこの街の言い伝えもこの先に待ち受ける恐怖を予見させる。
霧と共に現れる亡霊達は後ろからの発光でその姿は影でしか確認できないが、鉤爪やサーベルを武器とした殺戮は、スクリームやパイレーツ・オブ・カリビアンなどにも影響しているのではないかと思うが、決してVFXやスプラッターによる怖さではなく、オリジナリティと創意工夫で怖がらせるホラー映画の教科書のような作品である。
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