殺人ホテル

解説

「男の魂(1935)」「女は要らねえ」と同じくエドモンド・ロウとヴィクター・マクラグレンとが主演する映画で、原作をヴィンセント・スターレット作の探偵小説「殺人の処方箋」に取り、「ママはパパが好き」のアーサー・コーバーが脚色、「荒馬スモーキィ」のユージーン・フォードが監督、「フープラ」「歓呼の嵐」のアーネスト・パーマーが撮影した。助演者は英国の舞台から米国に逆戻りしたローズメリー・エイムス、「地下街」「旅鴉子供連れ」のメアリー・カーライル、「死の本塁打」のC・ヘンリー・オニール、「彼女の家出」ジョン・クェーレン、「僕はカウボーイ」のジョン・レイ、昔鳴らしたマッジ・ベラミー等である。

1935年製作/アメリカ
原題または英題:The Great Hotel Murder

あらすじ

探偵小説家で自惚れの強いロージャー・ブラックウッドと、古手の警官上りで今はホテル附きの探偵をしているアンディー・マクケーブとは事ごとに角突き合いをしていた。所がこのホテルにいた医師のテンプルの室で死体が発見された。最初は心臓麻痺で死んだものと推定されたが、実は毒殺であり、しかもこの死体の主は前夜テンプルの室を一晩だけ借りに来て宿泊した人物だと知れた。その夜、アンディーがホテルのムーアと犯跡を捜索中、ムーアは何者かに瓶で殴られて人事不省となった。その一方、ロージャーは犯罪の行なわれた室の向い側に死者の妻エリナー・ブレイクが泊まっていたことを突き止めた。所が、ついで奇怪なことにはエリナーとムーアがその後、行方不明となった。アンディーはロージャーを怪しいと睨んで捕らえたが、ロージャーは逃れて足跡を辿って犯人逮捕に急走する。ここでロージャーとアンディーとは互いに懸命に犯人発見の競争をする事となり、先ずロージャーがムーアの行方を突き止めて彼を捕えた。またアンディーは一軒屋でエリナーが負傷したテンプルを看護しているのを発見する。ムーアは犯人はロージャーとテンプルとであるとアンディーに告げた。所が、一行がこの小屋へ乗り込んだ時に、ムーアがロージャーを狙撃せんとするのを見て、彼こそ犯人と察したアンディーはムーアを殴り倒す。で、結局、犯人はホテルに宿泊していた銀行家ハーヴェイであり、ムーアは彼に雇われていたという事実が判明した。ハーヴェイはエリナーと駆け落ちせんとしていたのを、彼女の夫に悟られたので彼を殺したのであった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.5 設定の面白さは活かされず凡庸に終わった

2025年12月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

本作は、ホラー映画としての基本的な要素を備えてはいるものの、物語の構造やキャラクター描写において不十分であり、期待を大きく下回る作品である。主人公一家の描写は浅く、父は中盤で安易にダメキャラクター化し、母は行動の矛盾が目立ち、子供は存在感を活かせていない。ホテルの不気味さや人肉描写など、ホラー的演出には一定の効果が見られるものの、恐怖や緊張感として観客に迫る力は限定的である。また、演者と客人の設定も十分に活かされず、物語の広がりや伏線の活用も乏しい。総合的に見て、ホラー・サスペンス作品としての完成度は低い。

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ジユージン