再生の港
解説
「サニー・サイド・アップ」「友愛天国」に次ぐジャネット・ゲイナーとチャールズ・ファーレルの共演映画で、「巴里よいとこ」「ビッグ・トレイル(1930)」のラウール・ウォルシュが監督にあたったもの。原作はジュールス・エッカート・グッドマン及びジョン・フレミング・ウィルソン両氏合作の舞台劇で「ハバナから来た女」「紐育万華鏡」のエドウィン・バークが脚色し、「藪睨みの世界」「西部戦線異状なし」のアーサー・エディソンが撮影した。助演者は「最後の一人」「大親分」のケネス・マッケンナをはじめ、ウィリアム・ホールデン、「サニー・サイド・アップ」のメアリー・フォーブス、「モロッコ」のウルリッヒ・ハウプト、ウィリアム・ウォーシントン、「女性の罠」のレスリー・フェントン等である。
1931年製作/アメリカ
原題または英題:The Man Who Came Back
ストーリー
ウォール街の百万長者の息子ステファン・ランドルフはある酒場女との醜聞から5000ドルの金を持ってサンフランシスコへ行くこととなった。父はこの不肖の伜を1人前の男にするために無理に手もとから遠ざけたのであるが、サンフランシスコへ来た彼は依然として放蕩に身を持ち崩している。そしてそこの酒場で出会ったのが可愛い女給のアンジーだった。苦しい逢瀬がつづいた末が父の偽造小切手の発行である。ステファンの父から監視を頼まれているトラヴェリアンとギャロンと2人の船長は彼のこうした放蕩ぶりを見るに見かね、ステファンを誘拐して上海へ向かう。上海の裏街にある魔窟。今では闇の女に成り下がっているアンジーとスティファンとの思いがけない再会。変わり果てた女の姿に一時は怒ったものの元はといえばお互いに愛すればこそだった。やがてホノルルで2人きりの愛の生活が始められた。けれどステファンの伯母の来訪から女は自分の暗い過去を振り返らなくてはならなかった。男は伯母に連れられて去って行った。アンジーが身を犠牲にしてスティファンとの愛の強さを試験するためにと6カ月の別居生活を言いだしたためであった。ニューヨークのランドルフ家。いまでは心を入れ換えたスティファンは別人のごとく父の仕事を手伝っている。そのところへトラヴェリアンとギャロンが現れた。それに伴われて見違えるほど美しくなったアンジーがいた。2人の船長の証言によって彼女のまごごろは父親ランドルフに知れた。そこで喜んだランドルフは初めて若き2人の結婚を許したのであった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ラオール・ウォルシュ
- 脚色
- エドウィン・バーク
- 原作戯曲
- ジュールス・エッカート・グッドマン
- ジョン・フレミング・ウィルソン
- 撮影
- アーサー・エディソン
- セット
- ジョセフ・アーバン