最後の一人まで(1933)

解説

「砂漠の遺産」「森の男(1933)」と同じくゼーン・グレイ原作、ヘンリー・ハサウェイ監督ランドルフ・スコット主演の西部劇で、脚色には「幽霊牧場(1933)」「森の男(1933)」のジャック・カニンガムがあたり、撮影は「森の男(1933)」のベン・F・レイノルズが担任している。助演は「南方の放浪者」のエスター・ラルストン、「密林の王者」のバスター・クラブ、「暴風の処女」のジャック・ラルー、「森の男(1933)」のノア・ビアリー及びバートン・マクレーン、新人ミュリエル・カークランド、「彼女の用心棒」のファジィ・ナイト、「動物園の殺人」のゲイル・パトリック、ユージェニー・ベッセラー等である。

1933年製作/アメリカ
原題または英題:To The Last Man

ストーリー

ケンタッキーの山村では、ヒイドン家とコルビイ家が代々血を流してまで争っていた。が南北戦争に従事して血醒い所を見て来たマーク・ヘイドンは帰国後は平和を望み、義父スペルヴィンがジェド・コルビイに殺された時も復讐をせず、彼を殺人犯として州裁判所に訴えた。法の裁きを受けて、ジェドは15年の刑に処せられた。マークは長男リンをスペルヴィン婆さんの許に残し、アンとビルを連れて西部に赴き広漠たる土地に牧場を経営し、15年後には、ビルはモリイを妻に貰い、アンはニール・スタンリイに嫁ぎ、平和の生活を送っていた。15年の刑をおえたジェドは復讐するべく、獄中の共ジムにマーク・ヘイドンの在家をさぐらせ、西部にいることを知ると、娘のエレンとジムを連れて西部に移り、マークの家の近くに居を構え、ヘイドンの牧場から家畜を盗み初めた。そうすることによってマークが向かって来たらやっつけようとの魂胆だった。ちょうどこの時、リンがスペルヴィン婆さんが死んだので父の許へ帰って来た。その途中、エレンに会い心惹かれたが、彼女はリンがヘイドン家の者だと知ると毛嫌いしてしまった。野育ちの美しいエレンをジムが追いかけてみたが、エレンは仇のリンに想いを駆せた。リンが帰宅した日、アンの婿のニールが家畜を盗みに来たコルビイの手下を殺したことにより、また両家の争いが始まった。が依然としてマークは血を流すことを欲しなかった。たまたま、リンがエレンに送ったドレスがジェドの目にとまり娘がヘイドン家の者と仲良くしていることを知ると一家総勢でヘイデン家に喧嘩を売って出て、ビルを殺した。ここで喧嘩の火葢は切られ、リン等がコルビイ等を追いかけ山峡に迫った時、ジムの仕掛けたダイナマイトで岩石が破壊され、哀れにも全部が殺された。が奇跡的にリン1人が助かり途中で出会ったエレンに労られながら彼女の家に身を横たえた。ジムはエレンを手に入れるためにジェドを山よりつき落とし、エレンの家に帰って彼女を口説きかかったが、納屋の天井より短刀をもって転がり落ちた必死のリンに刺されて倒れた。リンとエレンはここに結ばれ、両家の争いは絶えた。

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