最後の偵察

解説

「無冠の帝王」に次ぐリチャード・バーセルメス主演映画で、「暁の偵察」と同じくジョン・モンク・ソーンダース氏が自作を脚色して台詞をつけ、「特集社会面」のバイロン・モーガンが台本を作り、かつて「裏町の怪老窟」「激流の哀曲」等に出演したウィリアム・ディーターレがワーナー社の監督者に招聘されて最初にものした映画である。助演者は「緑の処女地」のジョン・マック・ブラウン、「キスメット(1930)」のでデヴィッド・マナース、「スポーツ王国」のエリオット・ニュージェント、「目醒め」のウォルター・バイロン、「あけぼの」のヘレン・チャンドラーという錚々たる連中である。

1931年製作/アメリカ
原題または英題:The Last Flight

ストーリー

欧州大戦の戦禍が生んだ物語の一つ。ケーリー・ロックウッドとシェップ・ラムバートは米国飛行隊の中尉として活躍中ある日敵弾に射落されて重傷を負った名誉の軍人である。平和克服後も戦慄と冒険との幾年月が連続した影響で二人の神経状態は狂った時計に近かった。ケーリーは墜落の際に両手を火傷したので手が不自由であり、シェップは眼の下の筋肉のけいれんが止まらなかった。除隊と共に二人はこう奮を求めてパリへ赴いた。そこでビルとフランシスの二戦友にあった。ビルは以前全米選抜蹴球チームの名ハーフ・バックだったが大戦中に遭遇した色々の非常事件のため少し変になっているし、連隊切っての名射撃手だったフランシスも僚友の戦死にショックを受けて以来異常人となり時と所をかまわず眠ってしまうという頭脳の状態になっている。四人はパリの夜に刺激とこう奮とを求めて酒場から酒場へと遍歴して歩いた。そしてニッキという娘と知り合いになった。彼女はひどい近視で万事調子はずれな娘だった。美しいことは美しいが、知的ではなく取柄といえば同情心の篤いことと身持ちの正しいことだった。四人は彼女を仲間に入れることに決めた。戦争の経験を持たずしたがって尋常な神経の持ち主の新聞記者フランクはニッキの美貌と金とに眼をつけ彼女を誘惑しにかかった。ニッキはケーリーと一番親しくしたい様子だったが、ある時不図ケーリーは腹を立てて急にポルトガルへ行くと言い出したので、ニッキも他の3人もついて行った。フランクも後を追った。汽車の中でフランクはニッキに無礼を働き4人から懲らしめられた。この旅行によっても皆の精神状態は回復しなかった。ポルトガルのリスボンの闘牛場でビルは牛と戦おうとして角にかけられて惨死した。その後ニッキが残りの3人と遊んでいる時フランクが現れてケーリーにピストルを向けた。フランクよりもさきにフランシスが見事に彼を射殺するがシェップはフランクの弾丸を腹に受ける。フランシスは姿を消してしまったが仲間から離れた彼の運命は知れすぎていた。シェップは容態が急に悪化して死んでしまった。後にはケーリーとニッキが残される。2人はパリへ帰った。その後ケーリーの頭脳の調子が少し直ってきたのであろう、彼はニッキの愛情が自分に注がれているのを悟ったのである。二人は力を合わせてこの先一緒に暮らす約束をした。

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