故郷の土

解説

「殴られる彼奴」「真紅の文字」等と同じくヴィクター・シーストロム氏監督作品で「霊魂の不滅」の原作者で知られている瑞典の女流名作家セルマ・ラゲルレフ女史の小説を映画化したものである。脚色したのはアグネス・クリスティン・ジョンストン女史。主役は「殴られる彼奴」と同じくノーマ・シアラー嬢とロン・チャニー氏との2人で、「美人国二人行脚」「ある男の過去」等出演のアイアン・キース氏、ウィリアム・ヘインズ氏、クレア・マクドウェル嬢、デイヴィッド・トーレンス氏などが助演する。

1925年製作/アメリカ
原題または英題:The Tower of Lies

ストーリー

ヤンとカトリーナとは親切なエリクの借地人であった。2人の間に生まれた娘ゴルディはヤンの寵を一身に集め、父娘は2人して空想の王国ボルテゥガリアを作り、ゴルディは王妃、ヤンは従順なる王として戯れた。ゴルディ17才の時、彼女は良い若者アウグストと婚約した。が、エリクの甥のラルスはゴルディに賎しい望みをかけ、彼女にいろいろ贈物をしては、甘言を以て彼女を誘った。そのために、アウグストがラルスと争う事もあった。エリクの家で宴があった夜、嵐が襲い来たり、エリクは電光に打たれた大樹の下敷となった。ラルスは伯父が死ねば遺産が全部己のものとなる事を知っていたので故意と救いを呼ぶのを遅らせ、伯父を死に至らしめた。ラルスは伯父の遺産を身に納めた後、その迫害の手をヤンに伸ばし、エリクがヤンに与えると約した土地を与えないばかりかヤンに金を要求した。ゴルディはその金の代償に己が体をラルスが求めた時、大いに憤って都へ金をもうけに出かけた。ヤンは18年間も共に暮らした王妃の去るのを悲しんだ。都への途次船中でゴルディはラルスと会った。その後、6ヶ月経ったが彼女の行方はしれなかった。ただ、ラルスがもうヤンの金の支払いがすんだ事だけを語ったのみであった。数年は過ぎた。今はヤンは悲しみに心狂って、今では自らを真の王であると考えていた。しかも彼は依然としてゴルディの帰宅を信じて疑わなかった。ある日、ゴルディの姿がこの村に現れた。が、彼女は昔のゴルディではなく賎しい生活をしてきたゴルディであった。がヤンはそれがわからないのであった。村人達は、やがて、ゴルディを村から放逐した。アウグストの願いも甲斐なかった。ゴルディは村を去ろうとした。ヤンはその後を追って船へ走せつけた。その間のふとしたはずみから船上のラルスは水中に落ちてプロペラーに巻き込まれて死んだ。昔の生活をぬぐい去ったゴルディは再び我家のひととなった。彼女はアウグストと夕の金の鳴る頃、野に手をつないで立った。ヤンの喜び。

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