曠原の烽火

解説

西部劇の作者として定評あるゼーン・グレイ氏の書いた原作により作られた西部活劇である。脚色はジョン・ストーン氏と、J・ウォルター・ルーベン氏との2人で、それを長らく西部活劇を手がけて来てエス・ハート物やトム・ミクス物などをも数多く作ったクリフォード・スミス氏が監督したもの。主役は「芝居の世の中」「猫の寝巻」等出演のベティ・プロンスン嬢と、「命嬢馬賊」「アリゾナの天地」などで端役をしいたが今度抜擢されて大役を振られることになったレーン・チャンドラー氏との2人で、「暗黒街」「ショウ・ダウン」等出演のフレッド・コーラー氏も重要な役を受持っている。そのほかにガイ・オリヴァー氏、アル・セント・ジョン氏等出演。

1927年製作/アメリカ
原題:Open Range

ストーリー

アメリカの西部地方が今日の如くに開けるまでには、そこに幾度となく色々な争闘が行われたのであった。そしてマーコの町が白人によって作られ、それが五十年ばかり経過した頃、やはりそうした争闘が行われたのであった。それは白人とインディアンとの間に於ける戦いであった。ある時、マーコの町の人たちが、ジェームズ・ブレークを頭に、その娘のルシー・ブレークをクィーンとして、町の廿十年記念祭を行ったことがあった。そしてそのもよはしを賑わすために牧童たちの運動会が開催せられた。ところが、人たちがそうして打興じている留守の間に、インディアンの血を享けたサム・ハードマンという悪漢は手下のレッド・カーニー等を使ってジェームズの家蓄を盗ませた。この嫌疑は、計らずも当日ルシーを恋して他所からこの地に入り込んで来たテキサス・スミスという若者の上にふりかかった。ここに於てテキサスはその無実の証しをたてるために、自分で犯人を探すことに腐心し、主謀者がハードマンであることを知った。一方これを察知したハードマンは身の危ないことを知ってインディアンに組し酋長ローン・ウルフを味方にし、大挙して不意にマーコの町を襲った。が、それはテキサスの奇智によって却って撃退せられたのである。

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