「内戦がもたらす影」エル・スール ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
内戦がもたらす影
30ウン年ぶりに見た。絵画のような画面の美しさに、当時と同じように再び感嘆した。まるでレンブラント、それともスペインだから、ゴヤだろうか。光と影の扱い方が、本当にうまい。窓の外が白み始めて、ようやくわかる部屋の様子。黒々とした物陰の中から現れる父。画作りは素晴らしい。
かもめは風向きを示すはずなのに、常に南を指す。振り子は何かを導いてくれるが、明らかな答えを出してくれはしない。内戦で傷つき、過去を語らず、屋根裏に籠る父は、隠者めいている。南へ行こうとしていた父の代わりに、エストレリャは南に向かう。彼女が何を見て何を感じるか、この先は作られなかったので、知ることはできない。
ヨーロッパの子ども服って、かわいいよなぁ。グレーのワンピースで、赤と青の刺繍がされてるの、すごく好き。白い服も素敵だった。あと、星の指輪がおしゃれ。8歳頃のエストレリャが、佐久間由衣に似てると思った。
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こころさんのコメント
2024年4月7日
ぷにゃぷにゃさん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
先週から「 ビクトル・エリセ 特別上映 」として2週間の上映を 🎞️
映画館で観る事が出来、良かったです。
エストレリャが父を駆け出して迎えるシーンも良かったなぁ。
humさんのコメント
2024年2月29日
他作への共感もありがとうございます。
ダウンジングをしている父を誇らしげにみているエストレリャの表情、のこされた振り子を大切そうに手に包む姿、印象的でした。
南に行った彼女は、彼女らしい生き方を見いだすのでしょう。ショックから体調を崩していましたが、前を向けたラストには、大人として対峙する父への思いを感じました。