疑惑の渦
解説
アーネスト・パスカル氏とレオナード・プラスキンス氏との合作した戯曲の映画化で「言論の自由」と同じくジョージ・メルフォード氏が監督したもの。ロバート・N・リー氏が戯曲の改作に当り、それによってJ・G・ホークス氏が撮影台本を執筆した。主役を演ずるのは「紳士は金髪がお好き(1928)」「ミスター・ウー」のホームズ・ハーバート氏、「沈黙(1926)」「相縁奇縁」のロックリフ・フェローズ氏、「コーラス・ガール」「パリのアパッシュ」のマーガレット・リヴィングストン嬢、及びユ社の新進フレッド・マッケイ氏、等の人々であるがそのほかフィロ・マッカロー氏、クローフォード・ケント氏、も出演している。
1929年製作/アメリカ
原題または英題:The Charlatan
ストーリー
以前はサーカスで鳴らしていた曲芸師のピーター・ドワイトは情婦のフローレンスが二人の間に成した娘を連れて他の男と馳落をして以来、その仕事が嫌になり、ヒンドゥーの占星師となり名もマリーン伯爵と改めた。そうしている内に彼は今はリチャード・タルボットの情婦となっているフローレンスが占いを頼みに彼を訪れたのにめぐり合い、彼女の過去を指摘することによってフローレンスを驚かした。その後、マリーンはフローレンスの邸に招かれ、魔法の箱の奇術と占いとを人々の前で演ずることとなった。マリーンがその邸に行くと、やがて彼はフローレンスが若い医者と馳落ちをしようとしていること実を知ったので、その時、彼は初めてその本身をフローレンスの前に現わし、二人の間に出来た娘の幸福を破壊しないようにと警告を発した。その内にフローレンスが魔法の箱の内に入って奇術の実験をすることとなった。が、時が経ってもフローレンスが箱の中から姿を見せないのでマリーンは不審に思い箱の裏にある秘密の扉をあけると、こは如何に、フローレンスは何者かのため毒あるピンによって殺害されていた。折柄、人々の間に交っていた地方検事のディアリングはそれをマリーンの仕業として彼を別室で取り検べようとした。が、その時、マリーンは助手たちの助けをかりて巧みに立廻り却って自ら人々を訊問した結果、当のタルボットが真犯人であることを突き止めた。そうした上でマリーンは改めて己れが実はピーター・ドワイトであることを告白し、久し振りで可愛いい娘と相擁したのである。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジョージ・メルフォード
- 脚本
- ロバート・N・リー
- J・G・ホークス
- 原作戯曲
- アーネスト・パスカル
- レオナルド・プラスキンス
- 撮影
- ジョージ・ロビンソン
- 題字
- トム・リード