恐怖の岬のレビュー・感想・評価
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こっちの方が猶更良いです
最近版は視聴済で、素晴らしいと思いましたが、こちらの方が数段上でした。
両先輩のコントラストを極端化した演出と演技が水際立っています。
画面構成はシンプル且つタイトで、無駄を省いて絞り切った印象です。
モノクロ画面もはまって、これなら安心のオススメです。
"パナマ帽"
オープニングから流れるバーナード・ハーマンの音楽が印象的で本作をリメイクしたスコセッシの『ケープ・フィアー』ではエルマー・バースタインがオリジナルのバーナード・ハーマンによるスコアを編曲して用いた、スコセッシの『タクシードライバー』然りバーナード・ハーマンの映画音楽が冴え渡る。
どうしたってスコセッシがリメイクした『ケープ・フィアー』と比べてしまうオリジナルである本作、デ・ニーロに負けず劣らないロバート・ミッチャムの存在感は『狩人の夜』で演じた悪役からの地続きに思われる!?
クライマックスに向けての野暮ったさが面倒に感じられるが決闘後のオチはお決まりの展開にはならない方向性で、初めてオリジナルである本作を鑑賞したがスコセッシ版の面白さがより際立つ。
『ケープ・フィアー』のオリジナル
リメイク作品『ケープ・フィアー』のおかげで脚光を浴びたオリジナルだ。原作を超えられないとかの酷評もあったが、このオリジナルはクライマックスシーンが弱い。見所は前半であり、今ではストーカー行為に対する法律もあるが、この時代には有意義な法律がないことによって、心理的にじわじわと追い詰められることになる弁護士一家の恐怖体験が素晴らしい出来。人間の弱いところをついた描写がいい。
金で解決しようとしても応じず、じっと弁護士一家を見張るロバート・ミッチャム。若者を雇って傷つけたりする心理描写は弱いものの、その前後のグレゴリー・ペックの表情がいい。犯人につく弁護士の冷ややかな態度や、徐々に孤立してしまう弁護士サム。絶妙なバランスだった。
問題なのは岬へと誘った後、小屋とクルーザーとの二元的映像になるが、この行き来の繋ぎが良くなかった。母親はどうなったのか?娘はどうなったのか?と細かな時系列が想像力に委ねられてしまうので、アクションで帰結してしまう・・・。やはり、ペックは新聞記者か弁護士の役がよく似合う・・・
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