キャバレエの鍵穴

解説

「バワリイ」に次ぐ20世紀映画社作品でニューヨークデイリー・ミラー紙の記者で醜聞暴露で人気あるウォルター・ウィンチェルが書いた物語を、「一千万ドルの醜聞」「暗夜行路」と同じくジーン・タウンとグレアム・ベイカーが共同脚色し、「お仰いましたわネ」「栄光のハリウッド」のローウェル・シャーマンが監督にあたった。出演者は「米国の暴露」「一千万ドルの醜聞」のコンスタンス・カミングス、エイブ・ライマン・ジャズ管絃団のクルーナーたるラス・コロンボ、舞台からの新人ポール・ケリーが主なるもので、ナイトクラブ女将として悪名を挙げた故テキサス・ガイナンを始め、ブロッサム・シーリー、フランセス・ウィリアムス、エディー・フォイ・ジューニア等のボロードウェイの人気芸人連が助演するほか「妾は天使じゃない」「六百万交響楽」のグレゴリー・ラトフ、「蒼白いまぶた」「コンゴ」のC・ヘンリー・ゴードン、ヒュー・オコネル、ヘレン・ジェローム・エディー等が顔を見せる。カメラは「バワリイ」のバーネー・マルギルで、舞踏振り付けはジャック・ハスケルの担当である。

1933年製作/アメリカ
原題または英題:Broadway Thru a Keyhole

ストーリー

フランク・ロッキーはニューヨークブロードウェイで小鳥商を表看板にしているギャングスターである。ある日幼なじみのエスター・ウィーランに頼まれてその妹ジョーンをクラブ・ケイリーという有名なナイトクラブのコーラス・ガールに世話してやった。ロッキーは純真なジョーンに誠の恋を感じる様になり、一度は欲望をとげようかと思ったが、あまりにも清純な彼女の気持ちに感動して彼女が許すまでは犯すまいと決心した。そしてひそかにクラブ・ケイリーを買収してジョーンをスターに取り立てさせた。ロッキーの勢力を嫉む他のギャングが争闘を始めたので、彼はジョーンの身を案じてフロリダのマイアミへ遊びにやった。マイアミで彼女は人気者のクルーナー、クラーク・ブライアンと恋におちた。それを知らされたロッキーは直ちに彼女をニューヨークへ呼び戻した。ジョーンはクラークに万一のことがあってはならぬと思い、後を追って来たクラークを避けて会わなかった。するとクラークはクラブ・ケイリーの楽屋に彼女を訪ねて来た。それと知って怒ったロッキーはジョーンを外に出してクラークと2人きりとなった。臆病者と言われ自らも臆病を認めているクラークは、ギャングスターと相対しても怖れなかった。ジョーンに対する恋が遂げられなければ死んでもいいという突き詰めた心がクラークを強くしたのであった。彼は怖れるところなくジョーンを自分にくれるか自分を殺すかしてくれ、とロッキーに正直に頼んだ。その真心に打たれ、且つはジョーンが自分を信じていること、そのジョーンがクラークを愛していることを思って、ロッキーはあっさりクラークとジョーンの間を許した。ところが結婚式の日ジョーンはギャングに誘拐されてしまった。それはロッキーを嫉むクロウリーというギャングスターの仕業だった。ジョーンを助けに赴いたロッキーは官憲の銃火に倒れた。傷ついた身をベッドに横たえて、ロッキーはジョーンの無事を悦んだ。そして弟分のチャックがクロウリーを倒したという知らせに微笑みながらブロードウェイの電飾をじっと見つめるのだった。

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