カレッジ・リズム

解説

「恋の手ほどき(1933)」「坊やはおやすみ」のノーマン・タウログが監督した音楽喜劇で、ジョージ・マリオン・ジューニアが書き下ろし、「ボクは芸人」のウォルター・デレオンと「恋の胃袋」のフランシス・マーティンがジョン・マクダーモットと共同して脚色したもの。出演者はラジオ界の人気者ジョー・ペナー、「絢爛たる殺人」のジャック・オーキー、「風の接吻」のラニー・ロス、「三角の月」のリダ・ロバーティ「ボクは芸人」のヘレン・マック、「嫌疑者」のメアリー・ブライアン、「ロイドの大勝利」のジョージ・バービア、「空中レヴュー時代」のフランクリン・パングボーン等で、キャメラは、「絢爛たる殺人」のレオ・トーヴァーと「光は野より」のテッド・テズラフの担当である。

1934年製作/アメリカ
原題または英題:College Rhythm

ストーリー

ステイト大学のフットボールの花形フィニガンにはグロリアと言う恋人があった。グロリアは大学のバンドでピッコロを吹いているラリイの許嫁であったが、彼女はラリイよりもフィニガンが好きだった。ステイト大学とコルトン大学との対校フットボール試合が例年の通り行われた。始めステイトの形勢は甚だ悪かったが、中頃ジョーが彼らのマスコットの家鴨を抱いてグラウンドに現れるや、ステイト側は俄然勢いづき、フィニガンがゴールをきめて凱歌を挙げた。かくてフィニガンは益々人気者となり、グロリアの心もいよいよ彼に傾いていった。ラリイは内心気が気ではなかったが、卒業すれば親父がステイシイ百貨店を経営している自分に分が有ると考えてそれを頼りにしていた。2年後形勢はその通りになった。卒業はしたが職もなく落ちぶれたフィニガンがラリイを訪れてきた。ラリイは今はステイシイ百貨店の支配人である。一種の優越を感じながらフィニガンに職を与えてやった。ところがラリイの経営方針に満足しない父親とフィニガンの意気が投合し、大学のスポーツ式経営をやることになった。ラリイは怒って辞めようとしたが秘書のジューンに慰められて思い止まった。ジューンは密かにラリイを恋していたのである。ステイトの全てのフットボール・チームを全部雇い、セールス・ガールに合唱隊を組織させたステイシイ百貨店の新経営方針は大成功を納めた。チームにはマスコットの所有者ジョーも一緒だった。ラリイが何よりも残念な事はグロリアとフィニガンが再開し親交を温め出した事だった。向かいのウインプル百貨店ではこれに対抗するため、こるとん大学の全てのチームを雇って挑戦した。現に図らずも昔の対校試合が再興し、今度は莫大な賞金の下に両軍が戦った。試合は甚だしい珍試合だった。ジョーは家鴨を連れて応援し、ラリイはフィニガンの許可を得て試合に出、奮戦してステイシイ側に凱歌を挙げさせた。試合がおをるとラリイはあれ程やきもきしていたグロリアをあっさりフィニガンに譲って自分はジューンと結婚したのである。

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