回転のレビュー・感想・評価
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観たかった度◎鑑賞後の満足度◎ 幽霊ものに振り切ったのは映画だから仕方ないか。でも映画としてはよい出来。デボラ・カー熱演。そして真相は、現代のホラーでも敵わないようなおぞましい話。
(原作既読)①ヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』は最初に読んだ時はよく分からなかった。幼すぎたのか。
2回目に読んだときにやっと理解出来て、今でも優れた小説だと思っている。
②原作は本当にあった幽霊譚か想像力が豊かすぎる家庭教師の妄想か、どちらとも取れるような小説になっている。
本作でも冒頭にマイケル・レッドグレーヴ(ヴァネッサ・レッドグレーヴのお父さん!)扮する“伯父様”が、遺児となった幼い甥と姪の新しい家庭教師として雇ったデボラ・カーに「貴女は想像力がある方かな?」と問う台詞に原作の片鱗が伺えるが、映画自体はハッキリと幽霊ものになっている。
③本作(というか『ねじの回転』)が本当に怖いのは幽霊そのものではなく、幽霊が生前したこと、そして幽霊になってからもしていること。“悪意”というものが此の世に本当に存在しているということ。それがInnocents「無垢なもの」に向けられたこと。
そして最後、善意が悪意に敗北する事だ。これ以上の恐怖(ホラー)があるだろうか。
幽霊モノ
寄宿学校を退校となった兄のマイルス。その設定だけで不気味である。妹のフローラだけの時でも女性の声が聞えたけど、妹は聞えないふり。マイルスが戻ってきたら男の幽霊も見えてしまうようになったのだ。
ギデンスが来る前に従者のクイントと前の家庭教師ジョセルが死んでいた事実。そして2人が愛し合ってたらしいと聞いたギデンス。やがて、2人の霊が兄妹に憑いているのではないかと疑うのだ。彼女はフローラをロンドンにいるおじさんの元へ送り、自分はマイルスに憑いたクイントと対決しようとするのだ。
「名前を言いなさい!」と、それだけで退治できるようなイメージ。最後にはマイルスが死んでしまうのだけど、こんな展開じゃ面白くない。ギデンスにジョセルの霊が憑いて、マイルスと恋仲になるなどすれば、もっと面白くなったろうに・・・
子供は野蛮である
現代はイノセンツ
つまり純粋
子供の純粋さを表しているが
子供達は純粋に描かれていない
少年は退学を食らっているし
少年は鳩の死骸を枕の下に入れて寝る
鳩は平和の象徴だ
少女は亀を可愛がっている
亀は男性器の象徴であり
爬虫類である事から誘惑を表す
少年は大人の女を誘惑する
キスが子供のキスではなく大人のキスだ
死んだ家庭教師の男と女中はできていて
彼らのセックスに子供達は悪影響された事が示唆される
ラストで少年が不気味に笑う背後で
死んだ男の亡霊も同じ様に笑う
家庭教師の女は森の中で子供の銅像を見つける
大人と手をつなぐ銅像だが
大人の手が切れている
そして子供の銅像の口からゴキブリが出ている
決して純粋ではない
余談だが、誰が本当の事を言ってるのかわからんのは羅生門の様だった
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