海底二千尺

解説

「大飛行船」「ラスト・パレイド」のジャック・ホルトが「乗合馬車」のリチャード・クロンウェルと共演する映画で、助演者は新進ローレッタ・セイヤース、「光に叛く者」「サアド・アラアム 警笛間を衝く」のメアリー・ドーラン、「マダム・サタン」「悪漢の唄」のウォーレス・マクドナルド等。原作及び脚色は「大飛行船」「ラスト・パレイド」のドロシー・ハウエルの筆になり、監督は「北欧の海賊」のロイ・ウィリアム・ニール、キャメラは「希望の星」「大飛行船」のジョーセフ・ウォーカーが担当したものである。

1931年製作/アメリカ
原題または英題:Fifty Fathoms Deep

ストーリー

難破船救助会社の潜水夫ティムとピンキイは各々性格は相反していたが親友の間柄だった。ティムは酒飲みで乱暴者、ピンキイは温和しい理想家だった。ある日ティムが仕事に出掛けた留守中にピンキイは素性の良からぬマイラと呼ぶ女に夢中になり結婚した。マイラはピンキイの金が目当てだった。彼女はピンキイは汗みどろになって貯めた金を湯水のように費うのだった。ある日ピンキイはティムと交代した。ピンキイはその時ティムにマイラと結婚したことを打明け、自分の留守中アパートにマイラを訪ねて慰めてくれと頼んだ。その夜ティムはしこたま金を懐にして港のある酒場へ行きそこである女を相手に遊び、その女のアパートで一夜を明かし金を費い果した。そのある女とは他ならぬマアイラだったのである。ティムの金を絞れるだけ絞りとったマイラは、こんどはある百万長者を引掛け、ピンキイを捨ててその百万長者と船旅に出ようとしてアパートに旅装をととのえていた。そこへピンキイとの約束を思い出したティムが弟分の女房の御機嫌を伺いに来て、先日のアバヅレ女がほかならぬピンキイの女房マイラであったことを知った。彼はビックリ仰天した。そこへ運悪く仕事を終えたピンキイがヒョッコリ現れた。ティムはピンキイにマイラの素性を素破抜いた。するとマイラはティムが前夜自分に暴行を働こうとしたと言って彼に逆ネジを食わせた。それを聞いてカッとなったピンキイはティムに食ってかかった。その間にマイラは姿を消した。マイラと百万長者の乗った快走船は途中で難破し沈没した。ティムは早速危険を冒して深海に潜水し死体引上げに着手した。そして海深くマイラと百万長者の死体を発見した。ティムはマイラがピンキイを裏切ったことをピンキイに知らせないためにマイラの死体をかくそうとした時、体の一部が難破船のある部分に引掛かって身動き出来なくなった。その時海上では烈風吹き荒み救助船にも危険が迫った。船長は避難しようと言ったがピンキイは聞き入れない。彼は過日のティムとの喧嘩の結末をつけるために自分も潜水した。量らずも彼はマイラと百万長者の死体を発見した。彼はこれによってようよう一切の事情がわかった。それと同時にティムに対する友情が復活した。彼は百方捜索の末、まさに死の魔手に捕らえられんとするティムの姿を見つけ、無事にこれを救い出したのであった。

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