劇場公開日 1979年12月8日

「女の情念を描いた傑作!」女の叫び(1978) たいちぃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5女の情念を描いた傑作!

2022年2月11日
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鑑賞方法:映画館

京橋の国立映画アーカイブにて鑑賞。

ギリシャ悲劇「メディア」をベースにした演劇の女優と、妻を裏切った夫の復讐のために3人の自分の子供たちを殺して服役中の女を対比させながら、女の情念を描いたジュールス・ダッシン監督の傑作✨

妻以外の女性を愛してしまった夫への「妻の復讐劇」=「メディア」が、「現代の演劇リハーサル風景」と「子供殺しの女が収監されている刑務所」という異なるシチュエーションで並行させて展開される本作、ホントに上手い構成。

演劇女優をメリナ・メルクーリ、服役囚をエレン・バースティンが演じており、この2人が刑務所の面会を接点として心情を触れ合わすことで、映画に深みを与えている。

本作の冒頭テロップに「イングマール・ベルイマン」表記があったので何かと思ったが、本作中にて『仮面/ペルソナ』を映写して演劇関係者で観るシーンがあった。
映画『ペルソナ』の女性2人をスクリーンに提示することで、本作の2人の女性も気持ちが通じていくようになる……という暗喩に見えた。

本作は、1979年に岩波ホールで公開された時から観たかったが、ようやく観ることができた (^_^)

<映倫No.35353>

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たいちぃ