愚か者の楽園
解説
セシル・B・デミル氏が「アナトール事件」の次に製作したパラマウント映画で、レオナード・メリックの小説「名誉と女と」The Laures and the Ladyを土台としてビューラー・マリー・ディックスおよびセイダ・コウアンが脚色したものである。主役は「ユーコンの侠妓」「流沙」「贅沢」「信仰」などに主演する本邦屈指の人気女優ドロシー・ダルトンで、相手役は「奮闘の機会」出演の新進コンラッド・ネーゲル、そのほかミルドレッド・ハリス、セオドア・コスロフ、ジュリア・フェイ、ジャクリーン・ローガンら知名の俳優が多数出演している。
1922年製作/アメリカ
原題または英題:Fool's Paradise
ストーリー
アーサー・フェルプという米国人は大戦から帰り西部へ出かけて行って、図らずも仏国で彼の負傷を看護してくれた仏人の踊女ローザ・ドゥシューンに会い、否み難き愛着を感じたが、彼はその地の酒場の花と唄われるメキシコ人の踊女ポール・パシューリから熱烈な愛情を捧げられた。併しローザに心奪われているアーサーはこの真剣な恋をも容れぬので、ポールは彼に毒煙草を喫わせて盲目とし、己れをローザのように装って彼と結婚した。併しほどなく視力を快復したアーサーは己が妻が彼の意中に描いていたローザがポールであったことを知りあくまでもローザを慕う彼は遂に彼女の行方を訪ねて遠くシャムの国へ来た。ここでローザはアーサーとこの国の王子タラートアの2人の男性から燃ゆる情愛を受けるが、女としての人間らしい性格を全然欠いている彼女の驕慢の栄華果て、若き2人の異性は仮空の楽園に遊ぶ愚かしさを覚り、ともに価値なき彼女をすててしまう。かくして世の苦しみをなめ誠を知ったアーサーは再び故郷に帰り、己れに真の情愛を捧げてくれた妻ポールの懐ろに幸福を見い出した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- セシル・B・デミル
- 脚本
- ビューラー・マリー・ディックス
- セイダ・コウアン
- 原作
- レオナード・メリック