浮気成金
解説
紐育ブロードウェイで当りをとった喜歌劇「ノー・ノー・ナネット」を映画化したものでオット・ハーバッハ氏、フランク・マンデル氏、ヴィンセント・ユーマンス氏、エミル・ナイトレイ氏、アーヴィング・シーザー氏合作の舞台上演台本から「ラグビー時代」のハワード・エメット・ロジャース氏が脚色し、「三週間」「赤い髪」のクラレンス・G・バッジャー氏が監督し、「愛欲の人魚」「高速度娘恋愛合戦」のソル・ポリート氏が撮影した。主演を演ずるのは喜歌劇界に名を知られたバーニス・クレヤー嬢及び「恋の花園」のアレクサンダー・グレイ氏で「尖端一目惚れ」のルイズ・ファゼンダ嬢、「恋の大分水嶺」のルシアン・リトルフィールド氏、「悪魔の日曜日」のザス・ピッツ嬢、「恋愛運動場」のリリアン・タッシュマン嬢、ミルドレッド・ハリス嬢、ジョスリン・リー嬢、バート・ローチ氏等が助演している。
1930年製作/アメリカ
原題または英題:No, No, Nanette
ストーリー
トム・トレイナーは恋人の踊り子ナネットを主役にしなければ自作のレヴュー上演を承諾しないので「空中時代」という傑作を書いたのだが、仲々ニューヨークの興業家が上演しようとはしなかった。それで、ナネットは父の親友ジム・スミスを説きふせる計画を立てる。ジム・スミスは聖書出版会社の社長で仲々の好人物なので、親友の遺児を引取って世話をしようということになる。しかし細君がすこぶる横柄なのでナネットが女優であるということを極力秘密にするという条件をつける。ところがジム・スミスは妙な趣味があって経済的に困っている連中に援助を與えるのが道楽になっている。で、一度も会ったこともないのにボストンに住むベティーに、シカゴに住むフローラという2人の踊り子に生活費を送ってやっていた。ところが2人ともいい鴨がみつかったとばかりニューヨークに押しかけて来そうになる。それで彼は顧問弁護士のビルに頼んで話をつけてもらおうとする。ナネットは数日の間にすっかりジム・スミスのお気に入りになってしまってトムを彼に紹介し、また彼のレヴュー「空中時代」の後援者になって貰うことに成功する。しかし万事細君には内緒なのである。レヴューの稽古は次第に進行して行っていよいよアトランティック・シティーで試演という所まで漕ぎつけた。ところがトムとナネットは何分恋人同士なので時々喧嘩をする。稽古場へ来る時にナネットが必ずジムと一緒に来るのでトムは些か嫉妬を起し或る日のこと云い合いをして2人ともすっかり憤慨してしまう。そこへ2人の踊り子の件を頼んだ弁護士のビルが慌てて驅けつけてベティーとフローラが怒っていてニューヨークへやって来ると云っている由をジムに伝える。2人はジムの家で万事相談することにする。だが2人の踊り子が強硬なのでジムはアトランティック・シティーの別荘へ逃げることに、ビルはボストンとシカゴへ行く事にし、ナネットはジムと同じ汽車に乗る。それぞれ皆もっともらしい口実を設けるのであるがビルの妻は怪しいと睨み、ジムの妻をつついて探偵を傭わせる。アトランティック・シティーに於けるレヴュー「空中時代」は大成功を収めるが2人の細君と探偵が万事誤解しているので種々の騒ぎが起る。だが結局誤解はとけ細君達も鎮まる。ナネットとトムは仲直りをして結婚することになる。
スタッフ・キャスト
- 監督
- クラレンス・G・バッジャー
- 脚色
- ハワード・エメット・ロジャース
- 原作戯曲
- オット・ハーバッハ
- フランク・マンデル
- ビンセント・ユーマンス
- エミル・ナイトレイ
- アーヴィング・シーザー
- 撮影
- ソル・ポリト
- 指揮
- レオ・F・フォーブステイン
- 振り付け
- ラリー・セバロス