痛ましの親心
解説
ヴァイオラ・ブラザース・ショーア女史とギャレット・フォート氏との合作になる雑誌小説を映画化したもので、ジェーン・マーフィン女史が脚色し「鉄腕の男」「海駈ける猛虎」等と同じくジョン・フランシス・ディロン氏が監督した。主役は「紅草紙」「恋の人形」等出演のルイス・ストーン氏が演じ、「初恋ハリー」「当たりっ子ハリー」等出演のプリシラ・ボナー嬢、「陽気なパリっ子」「サイベリア」等出演のリリアン・タッシュマン嬢、「男見るべからず」出演のジョン・パトリック氏、「第四の戒律」出演のロバート・エイニュー氏及び新進花形アン・ローク嬢が共演している。
1927年製作/アメリカ
原題または英題:The Prince of Headwaiters
ストーリー
ピエールが美術の研究をしているパリの学生だったが、留学中のアメリカ富豪の一人娘フェイス・ケーブルと恋に落ち結婚してしまった。これを聞いた頑固一徹のフェイスの父親は怒って、生木を引き裂くように無理に娘をアメリカに連れ帰った。その後幾年かの歳月が流れて、ピエールはニューヨーク第一流のリッツ・ホテルの給仕頭となり、その処に集まる社交界の名士連と親しくしていた。ところがある夜の宴会で偶然のことから男蕩しで有名なメイという女に操られている青年のエリオットこそ、フェイスとの間に生まれた我が子であることを知った。そしてフェイスはエリオットを生み落すと間もなく世を去ったことも知った。不純な恋に酔っている我が子を救おうと決心したピエールは亡き妻の父ジョン・ケーブルを訪ねて、エリオットの近事を憂いて相談したが、ジョンは却ってそれをピエールがためにするところであると思い、彼の言を信じなかった。ピエールはやむなく我が子のために恥を忍ぼうと、エリオットの面前でメーの素性を洗い立てた。エリオットはピエールを父とは知らず、いわれなき干渉と怒ったがピエールはしかし間もなくエリオットは己が非を悟り、本当に自分を愛している許婚のベスと楽しい生活に入った。それを聞いたピエールは寂しく亡き妻の霊に己が義務を果たしたことを告げた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジョン・フランシス・ディロン
- 脚色
- ジェーン・マーフィン
- 原作
- ビオラ・ブラザース・ショア
- ギャレット・フォート