勇み肌美人女給

解説

「令嬢無銭旅行」「娘十八運動狂」「駆落相手違ひ」等と同じくビービー・ダニエルス嬢主演喜劇で、モーリス・エンヌカン氏、ピエール・ヴェベール氏合作のフランス喜劇を映画化したものである。但し脚色者ドリス・アンダーソン女史が起こしたのはクリフォード・グレイ氏の翻訳脚本である。これを「極楽突進」「娘十八運動狂」「雨製造者」等と同じくクラレンス・G・バッジャー氏が監督した。ダニエルス嬢を助けて「三日伯爵」「落花長恨」等出演のチエスター・コンクリン氏を始め、ダグラス・ギルモア氏、ヘンリー・コルカー氏、ユーラリー・ジェンセン嬢、ジョスリン・リー嬢、等が出演している。

1927年製作/アメリカ
原題または英題:A Kiss in a Taxi

ストーリー

カフエー・ビエルの美人女給ジネットは未だ嘗て何人にも接吻を許さないので評判になった。彼女には実はルシアン・カントルという修行中の画家の恋人があったが、それと知らぬ男たちは我こそ接吻と押し寄せ、その度毎にジネットが手当たり次第に投げ付ける硝子や器具に恐れをなして退去した。ルシアンは美術協会に1度も入選したことが無く芸術家として一本立ちができるのは何時のことやらわからず、後見人は素性の知れぬジネットとの結婚を許さないので2人は結婚し度くも出来ぬ羽目だった。さて美術協会会長レオン・ランベールは友人アンリ・ラ・サージユと、ジネットに必ず接吻して見せると賭けをしてカフエーに出掛け散々の目に遭ったが、その2、3日後彼が別の女と自動車で町に出掛け、女を残して買物に降りた間にその女も車を降り、代わりに大暴れを演じてカフエーを逃げて来たジネットが乗り込んだ。自動車に戻ったレオンはいきなりジネットに接吻したので大騒ぎになり泡を食った運転手は自動車をカフエー・ビエルに突入させてしまった。レオンは損害賠償の代わりにカフエーをそっくり買い取ってジネットに経営させることにした。その時彼は我名を出さず美術協会書記セレスタン・マラヴアルの名刺を用いた。このことを知ったルシアンは怒って駆けつけたのでレオンは自分は彼女の父だと云い遁れた。ルシアンは真に受けてランベール夫人に談判しジネットをランベール家に引き取らせた。ジネットはレオンがマラヴァルの名を詐称していたことを知った。レオンはマラヴァルを酒でいためてジネットの相手のように仕立てて表面を繕った。ルシアンは是非共ジネットと結婚するべく後見人同道でやって来るとマラヴァルが彼女の色男然と構えているので珍騒動が起こったがランベール夫人の粋な取り持ちで2人は目出度く結ばれた。

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