愛と死の間でのレビュー・感想・評価
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催眠術
冒頭のモノクロ映像。1949年ピアニストであるマーガレット(トンプソン)殺害の罪で死刑判決を受けた作曲家の夫ローマン(ブラナー)が新聞記者を呼んで「愛していた」ことを記事にしてもらいたかったが、死刑執行直前に妻に襲いかかる・・・といった夢で現実が始まる。
40年前の殺人事件での男女が現在のマークと記憶喪失の女性を同じ俳優が演じているのがミソだ。怪しげな医者(ロビン・ウィリアムズ)が「前世でローマンがマーガレットを殺したなら、因果関係で女が男に復讐する」と言ってたように、立場が逆転してしまうことを想像してしまう。ところが逆転の発想は男女の入れ替わりという手段で驚かされるのだ。若干頭が混乱してしまい、マークがマーガレットだと自分に言い聞かせても、どちらが復讐心を持っているのかわからなくなってしまう。しかし、脚本は上手く、40年前の殺人事件の真相は別の犯人によるものだったと結びつける。家政婦の息子。それは催眠術治療を行っていたフランキー(デレク・ジャコビ)だったのだ。記憶喪失の女に拳銃を渡したのは「マークが殺しに来る」と単純に入れ知恵したと思わせておいて、実は自分の身を守るためだったのだ。犯人が別にいたということは妻を殺されたローマンだって復讐する動機があるわけで、当然真犯人に対して二人がかりで復讐する。クライマックスではハサミだらけの部屋での格闘。記憶喪失の女は記憶を取り戻したんだろうか?まぁ、二人が結ばれてハッピーエンディングなんだろうけど・・・
ひげを剃ると全くわからないほどのケネス・ブラナー。やっぱり演技はいい。それに催眠療法士のデレク・ジャコビ。言語障害があったという設定も面白いし、彼が『英国王のスピーチ』にも登場していることが興味深いことだ。ガルシアはあまり活躍してなかったが、喉から煙を吐くシーンは印象的。そして、新聞記者ピート役のウェイン・ナイト(『ジュラシック・パーク』で混乱の原因を作ったシステムエンジニアの役者)がなかなかいい味を出していた。
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