「駄目な奴ほど憎めない! この邦題では、ヒットなしか?」WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々 Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
駄目な奴ほど憎めない! この邦題では、ヒットなしか?
主人公ポール・ジオマッティ演じるマイクは優しく気は良い奴だが、商売ッ気が無い、貧乏弁護士だ。
商売上手の人が、悪いガメツイ奴とは思わないが、何故かマイクの様な良い奴は、職種に関係無く、金儲けが巧く無い。
しかし、マイクは、或る日弁護士の社会的信用を利用して、独居の老人の後見人に志願して、その老人から、後見人としての管理手数料を頂く事を計画する。
こんな事が出来るものか?と少し驚いたのだが、こんな立場を巧く利用して、ウソをでっちあげて無理矢理、施設に年寄りを入居させ、自分では世話をしないのに、手数料だけを巻き上げる事を思いつく。
人間とは、何と弱い生き者なのか?気は優しくても、結局は弱肉強食の世にあっては、お金に窮すると、軽犯罪を犯してしまうらしい。
貧すれば鈍すとは、昔から言われている事で、こんなちっぽけなセコイ事だって、バレたら、詐欺行為なのだから、直ぐにでも弁護士生命が取り消しに成る。そんな事すら考えられない程、マイクは切羽詰まっていたのだろうか?
まぁ、そんな事を言っては、この物語は成立しなくなる。
こうして、マイクは労無くして、レオの後見人手数料だけをせしめる。だが世の中そんなに甘く無い。
このレオ爺さんの孫息子を、或る日、経緯上引き取る事になる。
しかし、この孫の青年カイルが実は、レスリングの名選手だと言う事を知る。
マイクはバイトで、レスリング部のコーチをしていた事から、このカイルを立派な選手として育て上げていく事になる。
このカイルとマイク一家との友情が日一日と強い絆で結ばれて行くようになる。
人間は、血縁関係を大切にし、深い絆で結ばれるのは、血縁者である事が第一と考える。
しかし、この作品を観ていると、血縁関係だけが総てでは無い事が解る。
そして、人間の価値とは、一体何で判断すべきものなのか?
色々と笑いの中で、考えさせられる作品だ。
「クッソ~!」と言うシッツと言うセリフが度々発言されるのが、とても気になる映画だった。
この作品のオープニングで、娘がジュースの入ったグラスを、自分が書いた絵の上にこぼしてしまう。
この時マイクと妻のジャッキーが娘に言葉を正す様に教える。しかし、その後、大人は何の抵抗も無く日常的に何度もこの「シッツ!」を連発する。ここにこの映画の言わんとする事が集約されているわけだ。
そして、人間は誰でも、過ちを犯す。しかし、出直す事は何時でも出来るのだ。
そして、そのチャンスを活かすのも、また人間なのだ!人って愚かでも素晴らしいね!