マリーゴールド・ホテルで会いましょうのレビュー・感想・評価
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シニア版 "Eat Pray Love"
伴侶の死、退職後の生活、長年の後悔、病気。
それぞれの思いや事情を抱え、イギリスからインドのホテルへやってきたシニア達。
イギリスと比べれば決して便利とは言えない生活環境の中で、インドの生命力と活気に刺激され、本国で縛られていた概念から徐々に解き放たれていく彼らの変貌が描かれていました。その一方で、インド人は彼ら自身の慣習に縛られており、結婚も仕事も自由にならない若者達の現状が非常に対照的でした。
幾つになっても悩みや苦労は尽きない代わりに、心の柔軟性さえ失わなければ何度でも挑戦できるのかなと思いました。同世代になったらまた観てみたいです。
ちなみに最初のほうに一瞬出てくる美容師は、"Sherlock"のMollyですね(^^)。
"The challenge is to cope with it. And not just cope, but thrive."
"The only real failure is the failure to try. And the measure of success is how we cope with disappointment."
"... the person who risks nothing, does nothing; has nothing. "
"All we know about the future is that it will be different. But, perhaps what we fear is that it will be the same. So, we must celebrate the changes."
"Everything will be alright in the end. And if it's not alright, then it's not yet the end.""
人生に"遅すぎる"なんてない!
【あらすじ】
イギリスからインドのホテルに移り住むことになった七人の老人。夫を亡くし第二の人生を求めに来た者、かつての恋人を探しに来た者、娘に金を貸したことから、移住を余儀なくされた老夫婦ー。
ホテルを経営するインド青年もまた、仕事の成功と愛する彼女との結婚を夢見ているが、現実は厳しい。
人々の活気に溢れた異国の地インドは、いつしか乾いてしまった彼らの人生を変えて行く。そこで彼らが見つけた答えとはー。
【感想】
誰しも何かに挑戦する時は迷い、戸惑うものだ。しかしその気持ちを乗り越えアクションを起こさなければ、未来を切り開くことは出来ない。物語の登場人物は、一見、"変化"や"挑戦"と不釣り合いの老人ばかり。そんな彼らが見知らぬ土地で生を生き抜く姿は、見ている者に"人はいつだってやり直せる"といった、希望を与えてくれる。物語終盤で主人公を演じるジュディ・デンチがインド青年に活を入れる場面はまさに、その象徴と言えるだろう。
本作品はイギリス人と現地人との交流を通し、インド文化の光と影をも映し出している。また、色彩豊かで異国情緒溢れる映像も、魅力の一つと言えるだろう。
見て絶対に損はない!と言い切れる、ハートフルムービーだ。
インドいい国、素敵な国
最近観た映画のなかで一番面白かったです。
いや〜見終わったあとの余韻が素晴らしくいいですね。
とても素敵な映画でした。
ストーリーもすごくいいんですが、登場人物がそれぞれ魅力的で良かったですね。
異国の地で生活するなかで変わっていく人間模様がよく描かれていました。
キャストも名優だらけで演技も文句なし。最高でした。
それにしてもインドはいい国ですね。
本作を観るとインドの魅力に改めて気づきます。素晴らしい。
とにかく素敵、素晴らしい。としかいいようのない映画でした(笑)
観るか迷ってる人は絶対観たほうがいいですよ!
馴染めるか、暮らせるか。
もしもあなたがこの状況に於かれたら、どうしますか?
と聞いてくるような作品だった。
其々の理由で老人たちが長期滞在を見込み訪れたインドのホテル。
ネットではゴージャスな宣伝文句(こういうのを信じちゃダメだって)に
すっかり騙されて、到着してみたらボロホテル、けれど将来的には
宣伝通りのホテルになるから!と息まく、まるで詐欺師の青年支配人。
エ~っ!?マジ~っ!?っていう感じのご婦人がお1人いるが、
彼女は徹頭徹尾、インドに馴染まない。最後まで馴染まない。夫にも。
ふと、ここで思った。
夫婦で歳をとり、さぁこれからと、どこかに移住を決める熟年夫婦が
必ずいるが、お互いの価値観(環境面も)をよ~く確認しておくべきだ。
二人ともどこでも生きてゆけるタイプならいいが、そうもいかない。
田舎暮らしが好きな人もいれば、都会暮らしじゃないとダメな人もいる。
そういうギャップが露わとなって、更にサバイバル力も試されるという
かなり過酷で、面白い作品になっていた。
果たしてイギリス人がインドに住めるのか!?という感じで。
それにしてもあんなにインドを侮蔑するような表現でいいのか?と
思うシーンが多々あった。そこへ切り返すようにインド人は頭がいい。
とやり込めるシーンもあったが、どう見ても上から目線の描き方。
そこを堂々と渡り歩くのが青年支配人と未亡人の主人公。古い新しい
という絶対的価値観を覆そうという行いが清々しくてかなり新鮮だ。
郷に入ったら郷に従え。こういう人がいちばん強いな、と教えられる。
ゲイだったり、病を抱えていたり、金策のためだったり、色欲だったり、
バラエティ豊かに取り揃えた名優たちは其々に素晴らしく、
もちろんJ・デンチ様には頭が上がらないが、捻くれ者か?と思わせた
M・スミス演じる老女が私的に一番印象に残った。何かが劇的に変わる
訳ではないが、明るい未来を想像させる期待感がサラサラと流れ出す。
無茶な言動も行いも、若いからできる時と、年配だから通じる時がある。
青年の母が過去を回想し、自身の無謀な選択は果たして間違っていたか?
と問いただされるシーンもいい。やはり血は争えないのだよ~と笑った。
(悩んでいるならまず行動してみた方が。それでもう悩まずに済むんだから)
大地のエネルギーを得て、この映画で元気になろう!
旅先で偶然居合わせた人々が、織り成すドラマはこれまでにも沢山映画になっている。
この作品も、特に珍しい話も無く、極々平凡なエピソードの積み重ねであった。
しかし、そんな平凡なストーリーを魅力的にみせてくれるのは、舞台で演劇を極めて来た英国ならではの、多数の名優達に因る芝居の面白さだ。
そして、それらの芝居を際立たせるのは、何と言ってもインドと言う国の底深い魅力その物の様に思う。
劇中何度も言われる通り、インドの強い日差しが創りだす様々なカラー。
町には、人々が溢れ出し、その人々が今日を生きる為に、生み出すエネルギー。
豊かな自然と人々が醸し出す息使いがそのまま画面には納められ、その躍動感に飲み込まれるのだ。
そして、この映画を観る私達も、まるでガンジス河で洗礼でも受けたようにその風景に圧倒されるのだ。
それは、何時の間にか知らず知らずのうちに、この映画の登場人物達と同じこのマリーゴールドホテルの滞在客に仲間入りしている自分を発見する旅でもある。
劇場では、廻りの人々からクスクスと笑い声が漏れ聞こえてきていた。
その理由も頷ける訳だ。
ここに滞在する人々はシルバー世代で有り、これまでの人生で多様な経験を重ねて来た。そんな彼らの生きて来た歴史が創り上げた、それぞれの個性的なキャラクターは皆面白いのだが、こちらも気が付けば、自分もこの映画に登場するキャラクターの誰かに当てはまっている事に気づかされるのだ。
だからこそ、自分の一部分を見せられている事で、思い当たるふしが有るので、思わず自然と笑みが込み上げて来るのではないだろうか?
さて自分は、ジュディ・デンチが演じるイブリンの様に、新天地で仕事を探し出す程行動的に、そして人々にも気遣いが出来るだろうか?
それとも、マギー・スミスが演じるミュリエルの様に気難しいのか?時間を要するが、結果的には前向きに生きる事が果たして出来るのか?
男女の別無く、親子の葛藤を抱えていても、その解決の糸口を前向きに改善する事が自分には出来ているのか?
などなど、様々な自分の鏡をこの映画は映し出している気がした。
しかし、出来る事ならば、自分も常に、環境の変化にも、不平をこぼす事無く、日々の変化を楽しむように、自分から変化を受け入れる事を心掛けたいものだ。
今の時代の日本では、地震の多発する中で、原発など様々な不安も有る。その日々の生活でも、私達は健康に留意し、これからも人生の時間を大切に生きなければならない。
「最後に、結果良ければ総て良い」としたいものだ!この映画で明日の元気を貰おう!!
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