「コミカルグロテスク。」さらば復讐の狼たちよ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
コミカルグロテスク。
この作品、劇場で予告を観た覚えがない。更に予習もせず、、
あぁ、チョウ・ユンファね。くらいで観に行った。
それで内容がいっさい分からず、タイトルからはまったく
違ったものを連想させるので、観始めてすぐに、あ…?
こういうテイストだったのねぇ。と考えさせられた。
歴史大作かと思いきや、冒頭ですぐ列車強盗するギャングが
現れ、あれよあれよと県知事の座について、とある町に到着。
そこには悪党らしきユンファの姿が。
影武者まで雇って、どう見ても悪代官的な振る舞い…^^;
なんだけど、全編にコミカル要素が広がり、異様なテイスト。
ただこれ、中国の歴史背景にまったく詳しくない私でも、
すっごく中国テイストだなーと思った。グロテスクでコミカル。
そして影武者あたりからしてそうなんだけど、
どこをとっても黒澤映画色が満載。だいたい数からして七人。
侍ではなく荒野の七人テイストを用いて、荒金稼ぎから町人
救済活動に身を投じるボス~手下までの仲間達。やがては
町人をも巻き込み、独裁者討伐までを鮮やかに描いている。
…が?
なんかよく分からない皮肉やら説法やらの暗喩が多いため、
字幕を追っていても、よく分からない~^^;
(公式サイトの解説を読むと、なるほど~と分かります)
分からなくても、ドンパチで楽しんでねぇ~と云わんばかりの
下らない味付けや、内臓まで取り出すグロテスクな映像など、
何でもアリ!な中国映画っぽい。
いや逆に、中国映画でこれだけ描いたことは凄いのかしら。
監督をはじめ、どう見ても役者揃いの達者な演技力、
どこをどう褒めればいいのか未だに分からない私だけど^^;
とりあえず最近では観たことない作品だったのは間違いない。
あとは個人の好き好きといったところか。
音楽を日本の久石譲が担当しているので、聴き覚えがある。
途中で七人の侍のテーマも流れるので、おっ!と思った。
邦題だけ、なんかよく分からない(勘違いさせる)のよねぇ。
(どうもアバタと聞くと、えくぼ。って連想しちゃう。歳かしら^^;)