「しびれる〜!」そして友よ、静かに死ね やっくんさんの映画レビュー(感想・評価)
しびれる〜!
フランス映画ならではの色彩をおさえた画面から、一転してのハードロック。
ディープ・パープル・ジャニス・ジョップリンが70年代を暗躍した伝説のギャング達を華々しく飾ります。モモンとセルジュは、子供の頃からの親友。二人でさくらんぼをひとつかみ盗んだことで実刑になり、その後はリヨンの男たちと呼ばれる伝説のギャングとなりました。足を洗って25年、家族たちと幸せに暮らしていたモモンに、13年ぶりに現れたセルジュ。彼は警察に捕らえられ、そして、麻薬取引のトラブルで組織から命を狙われていました。
セルジュのために多くの犠牲を払い、刑務所からの脱獄計画を実行するモモン。どこまでが実際の話しなのかは分かりませんが、既に老年になってしまった男二人の友情物語では終わりません。あの時、裏切っていたのはセルジュ。
深い絶望の中、それでも友には最後の友情のひとことです。
「銃弾は一発きり入っていない、無駄にしないように使え」
そして、セルジュの元から去っていくモモンの背後からは銃弾の響き。
友からの友情に、セルジュは静かに応えたようです。
う~ん、しびれる~!!!
最終場面まで多くのドラマが演じられますが、年老いたギャングの隆々とした筋肉は、今までの歴史を言葉に表さずとも語り尽くしています。
かっこいいな~!!!
男の顔の皺に、これほど憧れたことはありません!こんな男達の出演している映画を、カップルでなんて観られませんね。対抗できるのは高倉健さんだけです。
前作の「あるいは裏切りという名の犬」はフランス警察内部の物語でしたが、今回はギャングからの視点です。どちらも、男の生きざまの物語です。
かっこ良く生きるって、とうてい無理なように思ってしまいます。少しだけでも近づくことが出来ればと思いながら、映画館をでました。